第43話 猫目線(2)

 ワタシを見てるんにゃ。


 陽当たりの良いベンチを見ていた猫は、警戒を忘れず前に出ず、低い姿勢のままでいたのだが人間に見つかってしまい力が入る。


 めっちゃ見てるにゃ……でも、嫌な感じはしない…にゃ。


 テリトリー外の場所で人間二人に見られているのは、害するような危険な視線では無いにしろ居心地が良くなくて猫は戸惑っている。


 な、なんにゃ? こっちに来るん…じゃないんにゃ。


 動いた人間から目を離さず、その行動を注視している。左右への指は気になるが、ゆっくりとしているし後ろで全く動かない人間も危険は無いのでは? と思えてきているようだ。

 さらに猫草を認識してこの場所は、安全な所なのだろうか……と猫は前足の余計な力が無くなり、心の強張りもとれてきたみたい。


 もしゃもしゃするのだにゃ。

 もしゃもしゃしてもいいってことかにゃ?

 また、来てみるかにゃー。


 一定の答えが出た猫は、あっという間この場を去ってゆく。

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