第33話 起きたみたい
一応、読書中だったが、彼女が起きた気配を感じて他に移った集中力に本を閉じた。
思考は彼女に戻り、時間的にも夕食の準備をしてもいいくらいだ。
リビングに行くと彼女は、キッチンから声をかけてきた。
「猫草はそのままね」
「起きてすぐ確認したの?」
「そうよ。だから、顔を洗ってくるわ」
後ろ姿へ幾つかの候補を提示すると夕食は決まり、キッチンで野菜を切りはじめる。
隣にミントの香りを感じながら、カッティングボードとキッチンナイフを洗った。
私の料理は趣味程度であり、日常の献立回しくらいには対応できるが人を喜ばせるようなものではないのだが彼女と味覚が似ているというアドバンテージが有るために時折、外食で食べた同じ料理よりも美味しいといった評価を受けることがある。
「いつも丁寧に作ってくれてるのを見てると、これも味付けって思えるの」
……他にもアドバンテージがあったようだが、嬉しさに変わりはない。
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