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物音に、ハッ、とする。
感覚としては夜中十二時。
だれかが部屋にくるだろうことは予想していた。
が、でていくとはちょっと想定外だ。ユリちゃんのやることはわりといつでも斜め上だ。
ユリちゃんが、部屋をでてゆく。鍵をかける音を聴きとげて身体を起こす。
ユリちゃんの足で、エレベーターホールまで三十秒。エレベーターが三階までくるのに三十秒。のりこんで扉がしまる…一分半待って、オレも部屋をでる。
鼻を鳴らす。
ユリの香りをたどって、あとを追った。
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