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 「目が! 目が見てますよ!」

 て、オレの金目鯛姿煮にユリちゃんが必死に目を手で覆っている。

 と、思いきやこわいもの見たさか、指の隙間からチラチラ見てる。かわいすぎる。

 目玉だけ取りだしてからかうとまた、きゃぁ! て、あわてて目を塞ぐ。かわいすぎる。


 姿煮は大きな金目鯛丸ごと一匹。頭と尾が皿からはみでている。肉厚でふわふわ、身が柔らかい。臭みもない。お袋な味の出汁が染みる。


 天ぷらと煮付けを半分こして、ユリちゃんが食べきれないご飯はオレがいただく。〇.五と一.五人分で、オレたちはすごくちょうどよくできている。


 こうゆう瞬間もすごくいい。


 見てみろ、オレは世界一のしあわせ者なんだ、て、じぶんのろくでない人生まで自慢したくなる。


 「あとはあそこでソフトクリームですね!」


 え、まだ食べるんだ?


 「デザートは、食べないと身体に悪いんですよ!」

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