第6話
ギルドの大部屋にルテンが帰っていると
「おい!ちょっと待て!」
この間、冒険者ギルドで絡んできた大男と2人の男が声をかけてきた。
「誰かが倒したオーガの報酬で銀貨もらったんだってなぁー。いいじゃねぇか。全部俺たちに恵んでくれよ。渡さねぇなら今度は容赦はねぇぞ」
と言って大男はオーガと同じくらいのサイズになった。
「俺のスキル『身体倍化』だ。今なら、まだ間に合うぞ。はやくよこせ!」
まずい。このサイズだとひっくり返すのにも限界があるし、あと2人もいる。
そう考えていると男たちが殴りかかってきた。
やばいっやばいっ。ん?矢印?
大男から、ぼくに向かってに矢印が見える。なんだこれ?
なんとなく矢印に向かって、
「反転」とは言った。
すると、ぼくに向かっていた大男は後ろの2人の男たちに突っ込んでいった。
「なにしやがんだ!テメェ!」
「ふざけんじゃねぇぞ!」
「いや、違うんだ体が勝手に.....」
と口論している間になんとかぼくは逃げていくのであった。
「なんなんだろう。あの矢印」
先ほどのでた矢印について、歩きながらぼくは考えていた。
スキルの力なのは間違いないはずだ。
ためしに石をひろって投げてみる。
石は投げられた方向に矢印がでている。
「反転」
ぼくは矢印の方向を反転してみた。
すると投げた石がぼくめがけて戻ってきたので、慌ててもう一度反転を使うと石はまた逆方向に戻っていった。
「もしかして、力の方向をひっくり返すことができるのか?」
たぶん、反転スキルが成長したのであろう。新たな使い方ができるようになっていた。
ルテンが色々な検証をしてわかったことは
・上下左右どの方向でも反転できること
・どんなものでも矢印があれば、反転できること
・ぼくの意志で止めないかぎり進み続けること
・上から右など、最初の方向と違う方向には反転できないことがわかった。
「今まで近づくと怪我する可能性のある魔物には近づかないようにしてたけど、もしかしたらこれでラビット狩りから卒業できるかも!」
さっそく、ぼくは街の外に狩りに向かうことにした。
いつも通り狩場に行って魔物を探していると....ウルフの群れがいた。
1、2...6頭もいる。
ウルフとは狼のような姿で群れで行動する人魔物だ。
ぼくはナイフを握りしめて勇気を出して、ウルフに向かって駆け出した。
「うああぁぁー!!」
するとウルフもぼくに気づき、噛み殺そうと近づいてくる。
「無限反転×6」
ウルフ達に反転を使い、ひっくり返して転ばせてから、ナイフを投げた。
「方向反転×2」
ウルフに投げたナイフは止まらず、スピードは遅いが、進み続けてウルフを貫く。
そこでぼくはもう一度、方向反転を使い繰り返すことでウルフを貫き続ける。
ウルフが動かなくなったら、ナイフを戻してキャッチする。
そして、何回か繰り返して、ウルフの群れを倒すことに成功した。
「やったぜ!おれ、結構強いじゃん!」
ウルフ6頭の討伐部位を取って街に戻るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます