第5話

いつもどおりぼくは、ギルドの大部屋で目覚めた。


「スキルの力もよくわからないし、お金もないし。はぁー困ったなぁー....まぁ、幸いラビット以外の魔物には会わないし、今日も狩りにいくか。あっ、ラビット運ぶ方法考えなきゃ」


街の外に向かいながら、考えても沢山のラビットを運ぶいい方法は思いつかない。


「はぁー...ぼくが、ラビットを運ぶ方法なんてないよなぁー。どうしようかなー」


「あら?ルテンさん。なにかお困りですか?」


声をかけられた方を見るとギルドのおねえさんだった。荷物を持っているのを見るに買い出しの途中のようだ。


「こんにちは。実は、ラビットを沢山倒しても運べないことに気づいて」


とぼくは答えた。


お姉さんは首を傾げ。

「えっと....ギルドの討伐報酬なら、耳だけでいいんですが....たくさんのラビットを運ぶ方法ですか。台車は買うと高いですし、ルテンさんだと力も足りないと思います」


「そうですよね....やっぱり難しいですよね。え?討伐報酬は耳だけでいいんですか?」


「あっ、はい。説明したはずですが....」


どうやら、聞き逃していたようだ。

ラビットの肉代は諦めて、ギルドの討伐報酬を優先させれば、効率よく稼げそうだ


「ちょっと、聞き漏らしてたみたいです。お姉さん色々ありがとうございました!どうにかなりそうです」


「いいえ。あまり力になれず、すいません。

あと、申し上げにくいのですが、登録代金の支払いもよろしくお願いします。それでは、失礼しますね」


なんとか、ラビットの運ぶ方法も解決(?)したぼくは街の外に向かうのだった。


街の外


「昨日もラビットいっぱいいたし、今日もいるだろうなー」


物陰から、狩場をのぞくとラビットは一匹もいない。


それどころか、凶悪なオーガが暴れていた。

オーガは大人の冒険者3人はいないと戦えない存在だ。


「なんでこんなところにオーガが....」


と呟くとオーガに気づかれてしまった。

ぼくは逃げるためにすぐにオーガに向かって反転を使う。


オーガはすっ転んだが、ルテンの反転で転ばせられる大きさを超えてるのだろう。頭がズキズキと痛む。


オーガを三回転ばせた後、ルテンはあまりの痛みに気絶してしまった。


オーガが起き上がってこちらに向かってくるのが見えた。


あぁー、おれはここで死ぬのか.....







目が覚めるとぼくは、先ほどの場所で横になっていた。


「あれ?ぼくは死んだはずじゃ...」

と起き上がり周りを見てみると


すぐ隣にオーガが横になっていた。

ぼくは慌てて街に逃げだそうとするが、オーガをよくみると、ピクリとも動いていない。


「しん..でる?」


なにが起こっているかわからなかったが、オーガの耳をナイフで切り、ギルドで報酬をもらうために、街に帰った。


不思議に思いながらも、ギルドのお姉さんに事情を話すと


「生きていて本当に良かったです。それにしてもオーガが死んでいたのは不思議ですね。

誰かが助けてくれたんでしょうかね?

あと、オーガの討伐報酬は他に名乗り出ている方もいらっしゃいませんし、ルテンさんのものになります。こちらが負担していた受付費用を差し引いて、銀貨1枚をお渡しさせていただきますね。

ちなみに、銀貨1枚は銅板10枚の価値ですよ」


とお姉さんは言ってぼくに銀貨を渡してくれた。


銀貨を受け取ったぼくはオーガのことを不思議に思いながら、ギルドを出るのであった。

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