第3話

冒険者ギルドに向かってる途中にぼくは考えていた。


スキル『反転』は相手をひっくり返すことができるスキル。

ひっくり返すのは、何度でもできる。


どんなものでもひっくり返すことができるのかなー。


試しに遠くに見える山を、ひっくり返せるか試してみよう。


「いだぁぁぁぁぁぁ」

 

頭に強烈な痛みが走り、スキルは発動されなかった。


今のぼくのスキルでは、すごく大きなものは難しいみたいだ。


でも、路地で絡まれた男はひっくり返せたから、人間は少なくともひっくり返せることがわかったぞ。


そんなことを考えながら、歩いていると冒険者ギルドについた。


お金をもらうためぼくは冒険者ギルドに入る。


冒険者ギルドの中は酒の匂いがすごく、酔っ払いで溢れている。


ルテンが受付に向かおうとすると目の前に大男が立ちはだかった。


「ガキの場所じゃねぇぞー。おうちに帰んな」


「ラビットを倒したので、お金をもらいにきたんです。どいてもらえませんか?」 


勇気を振り絞ってぼくは大男に伝えた。


「ラビット?酒代にもなりゃしねぇが俺がもらっといてやるよ。よこせ!」


このままじゃ、ぼくのお金が奪われてしまう!しょうがない。


「無限反転」


すると大男が目の前で転げ回り始めた。


無限反転とは、反転を連続で使って転ばせ続ける技だ。名前はさっきつけた。


「な、なんだこりゃ。イテェ。イテェ!」

 

転げ回っている大男を避けてルテンは、受付に向かった。


そして、受付のお姉さんに討伐したラビットの残骸をみせながら、話しかけた。


「すいません!ラビット倒したら報酬がもらえると聞いてきました」 


「討伐報酬ですね!ラビットであれば、銅貨5枚ですね!」


「ありがとうございます。ぼく、泊まる宿を探してるんだけど、銅貨で泊まれる宿とか無いですよね?」


「銅貨で泊まれる宿はないですねぇー。

あっ、冒険者ギルドに登録していただければ、ギルド員専用の大部屋が無料で泊まれますよ?登録には、銅板1枚かかりますが.....」


「銅板一枚?銅貨10枚のことですよね?報酬と合わせて銅貨6枚しかない....

どうにかなりませんか?」


ぼくは泣きそうになりながら、受付のお姉さんにせがむ。


ちなみに、この世界の通貨は銅貨10枚=銅板1枚、

銅板10枚=銀貨1枚、銀貨10枚=銀板1枚

銀板10枚=金貨1枚、金貨10枚=金板1枚となっている。


「それでは、特別に次回の報酬から差し引かせていただきますので、結構ですよ。

では、ギルドの説明をさせていただきますね。ギルドランクは1〜9まであり9が一番高いです。9の中でも特に優秀な方については、特別なランクが準備されています。

討伐や依頼を行うことでギルドランクを上げることが出来ます。では、この水晶に手をかざしてください。はい!登録されました。手続きは以上ですね。頑張ってくださいね♪」


「ありがとうございます。頑張りますね。」


と言って受付のお姉さんにお礼を言い、未だに転げ回っている大男の横を通り過ぎていって、ギルド専用の大部屋に向かうのであった。


ぼくがギルドを出て、ようやく大男の無限反転は止まったのだった。








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