第2話

「にげきれたぁ.....。よかった。殺されるかと思った」


なんとか逃げきることができた。すると、ぼくのお腹からぐぅううううーと音が鳴る。


「お腹減った....」


とりあえず、昼ごはんにするためいつものようにゴミを漁りでもしようと思っていると、鼻をクンクンとさせると香ばしいいい匂いがする。


「焼きたてのラビット串はいかがっすかー?おいしいよぉー」


そこには、魔物のラビットの串が売っていた。

ラビットというのは、ウサギ型の魔物で食用としてよく売られている。


見るだけでよだれがこぼれそうになる。


孤児院にいるときもお肉はご馳走だった。そんなご馳走が今、目の前にある。


しかし、今の手持ちのお金では全然足りない。


そこで、どうにかしてラビットの肉が食べれないかと考えているとふと思いついた。


自分で街の外で狩ればいいのだ!


普段のぼくだったら、危険すぎると思い直すところだが、この時はスキルの使いすぎで脳が疲れて、ハイになっていたのだろう。


「よーし!ラビットの肉待ってろよー!」


と言って元気よく街の外を目指して走った。


街の外。


ぼくは早くも1人で街の外に出たことを後悔していた。


ラビットは大人であれば、簡単に倒すことができるが、自分はまだ12歳の子供である。


充分に危険で大怪我をする可能性のある存在だった。


「なんでこんなことしようと思ったんだろう。魔物と戦う武器もないし、危険なのに...ぼくらしくない。街に帰ってゴミでも漁って食べよう」


街に帰るため肩を落としてトボトボと歩いていくと茂みから何かが出てきた。よく見てみるとラビットだ。


ラビットはぼくが子どもで自分より弱い存在であることを確認するとラビットは体当たりをしてくる。


命の危険を感じた時にぼくは思わず、「反転」と呟いた。


すると、先ほどの柄の悪い男と同じようにラビットがその場で転ぶ。


続けて、ぼくはスキルを使い続ける。

「反転反転反転反転.......」


ラビットはぼくのスキルの影響でその場に転び続けて起き上がれなくなった。


勇気を出して、近くにあった太い棒拾い、転び続けているラビットに何度も何度も振り下ろした。


しばらくするとラビットは動かなくなった。


やった!なんと、ぼくがラビットを倒したのだ。


「あぶないあぶない。死ぬかと思った」


その後、どうにか火を起こし、ラビットをそのまま放り込んだ。


焼きあがったかな?食べてみよう。


「うまい!うまい!」


何の処理もしていないラビットだったがぼくは久々のご飯だったこととお肉が食べれている喜びからパクパクとお腹いっぱいになるまで、食べ続けた。


食べきれなかったラビットの肉は持っていた皮袋に入れて街で売ってお金に変えることにした。


「もしかしたら、ぼくでもこのスキルを使って魔物を倒せば、なんとか生活することができるかもしれない」


ぼくはこれからの生活に希望を持ちつつ、街に戻った。


街に戻るとまず、ラビットの肉を肉屋に売りにいくことにした。


「すいませーん。この肉って売れますか?」


とルテンは肉屋に話しかける。


「さすがに下処理もされてない焦げてる肉は買えないなー」


ラビットを買ってもらえないことに、僕がガッカリしていると肉屋は慌ててぼくに伝えてきた。


「あっ、でもラビットを倒したって冒険者ギルドに持っていけば、報酬がいくらか貰えると思うぞ!」


「ありがとうございました。冒険者ギルドに行ってみます!」


その言葉を聞いてぼくは冒険者ギルドに向かうことに決めた。













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