第6話復讐の騎士

グレイザーがリボルバーゲイラーと戦っていると割って入って来た謎の戦士……。

リボルバーゲイラーを瞬殺したこの謎の戦士にグレイザーが問い掛ける。

「君は一体……」

すると、謎の戦士もグレイザーの方を振り返り答える。

「俺はガイオー。いや、ここはガイと名乗るべきか」

謎の戦士の名はガイオー。

そして、ガイオーは変身を解除し、金髪の青年ガイの姿に戻った。

そして、ガイは更に続ける。

「ゲシェードは俺が倒す。邪魔はするな……」

そう言うとガイは去って行った。

グレイザーは唖然とする……。

−翌日−

守は普段通り大学に来ていた。

そして、今日はいよいよ論文の提出日。

守は論文の最後のチェックをしている。

するとそこに西山がやって来た。

挨拶を交わすと西山が論文の事を聞いてきた。

2人で論文の事を話合っていると美山晴香が声を掛けて来た。

「ねぇ、二人共、今日クラスの皆で飲みに行こうって話してるんだけど、2人もどう?」

突然の誘いに驚くも断る理由は無い。

2人も勿論参加する事にした。

ラッキーだったのは今日がたまたま守はバイトが休みだった事だ。

その後、無事論文も提出し大学も順調に行った。

その頃、ガイは町を彷徨っていた。

「腹減った〜……」

ガイはまた空腹に悩まされていた。

すると、いい匂いがしてきてその匂いに誘われるまま入って行ったのは値段が安く学生にも人気の定食屋【満腹堂】だった。

「美味そうな匂いだ……」

ガイは早速料理を注文した。

ガイはメニューを片っ端から食べ始めた。

カツ丼、親子丼、天丼、うどん、ラーメン、とんかつ定食、生姜焼き定食、カレーライス等など……。

ガイはその全てを軽くたいらげた。

ガイはかなりの大食漢だった。

その食べっぷりに満腹堂のおばちゃんは目を丸くする。

「はぁ〜食った食った。ご馳走さん」

ガイの食べっぷりに気を良くしたおばちゃんはガイに話掛けた。

「お兄ちゃん良い食べっぷりだね!おばちゃん驚いたよ」

するとガイもここの料理を気に入ったらしく、また来ると言い札束を置いて行った。

「釣りはとっとけ」

ガイは去って行った。

しかし、ガイが置いて行ったのは見た事もないお金だった。

恐らくガイの居た世界の通貨だろう。

「ちょっとあんた!コレ使えないよー!」

おばちゃんが追い掛けるがガイは既に居なかった。

そこに学校帰りの守と西山がやって来る。

「あれ?おばちゃんどうしたの?」

守がおばちゃんに尋ねる。

おばちゃんが困った表情で守に話す。

「それがね、凄く食べっぷりの良い若い子だったんだけど、お金置いて行ったと思ったら日本のお金じゃなくて困ってるのよ」

守も驚いて直ぐに聞き返した。

「それってどんなやつ?」

おばちゃんはガイの特徴を説明した。

守はそれがガイだとわかった。

そして……。

「おばちゃんごめん、それ俺の知り合いだと思うんだ。ソイツが食べた分俺が払うから許してくれよ」

そう言って守が払う事にした。

いくら安い定食屋とはいえ、ガイが食べた量は結構なものだった。

合計5800円。

守には痛い出費だった。

そしてその夜、守達はクラスの飲み会に参加した。

守はさっきのガイの立て替えがやはり痛かった。

立て替えと、この飲み会で今月の金欠が確定した。

「あ〜……今月もうヤバいわ……」

1人落ち込む守だが、西山はテンションが高かった。

そして、周りの皆も大盛り上がりだった。

しかし、そんな中晴香が守に話し掛けてきた。

「ねぇ、皆と飲まないの?」

守は振り向くと晴香がレモンサワーを持ってやって来た。

守は少し緊張気味に答えた。

「ああ……恥ずかしい話なんだけどさ……さっき予想外の出費があって今月ピンチでさ」

晴香が守の横に座る。

「そっかぁ、じゃあ誘ったの悪かったね」

それに守は慌てて返す。

「いやいや、そんな事ないって。出費があったのは飲み会の約束した後だし……」

晴香はそれを聞くと守に気を取り直して飲もうと誘い、皆の輪の中に入れた。

皆はグレイザーの話で盛り上がっていた。

金光が興奮気味に話す。

「いや〜あのグレイザーってやつスゲェよな。あんな化け物倒しちまうんだから」

守は少し照れくさそうに言った。

「えぇ?そうかな?」

すると、金光は少し嫌味混じりで返して来た。

「なんだよ桐崎、お前何かよりよっぽど立派じゃねぇか。ケチ付けんなよ!」

すると、晴香が守を庇って反論。 

「ちょっと、誰もそんな事言ってないじゃん」

金光は不機嫌そうにその場を離れトイレに行く。

「ごめん……何か空気壊しちゃって……」

守が皆に謝る。

そして、守はお金を置いて帰る。

その帰り道パトカーのサイレンの音がやたら響いていた。

すると、藤波博士から電話が掛かってきてゲシェードが怪人を暴れさせていると言う。

守は直ぐに現場に向う。

現場はそう遠く無かった。

現場は川の側にある公園。

ギレンが犬にシールを貼りドッグゲイラーを生み出していた。

ドッグゲイラーの近くには犬の飼い主と思われる女性が居て、ドッグゲイラーに声を掛け続けていた。

「お願い、ウチのジョンを返して……」

しかし、ギレンは楽しそうに笑うだけ……。

守は『グレイアクセラー』のボタンを押して変身。

超戦士グレイザー登場。

藤波博士から通信が入る。

藤波博士は普通に攻撃しては犬を助けられないと言う。

しかし、ゲイラーと犬を切り離す術はない…。

グレイザーはとにかくドッグゲイラーを止めようと挑む。

しかし、犬を傷付けずドッグゲイラーを倒す方法はいくら考えても見つからなかった。

「クソっ……どうすればいい……」

そこにガイオーが乱入し、ドッグゲイラーに攻撃する。

グレイザーを押し退けガイオーがドッグゲイラーを攻撃し続ける。

「やめろー!」

しかし、ガイオーは攻撃を辞めない。

「コイツを倒さなきゃ犠牲が出るだけだ」

グレイザーが犬を助ける為に攻撃を待てと説得するが、ガイオーは聞く耳を持たない。

ガイオーは『破壊剣ガイソード』を取り出しドッグゲイラーを斬りつける。

ドッグゲイラーからは血が大量に噴き出す。

それを見た飼い主は絶叫する。

「やめろー!!」

グレイザーが必死に叫ぶ。

だが、ガイオーは攻撃を続けドッグゲイラーを滅多切りにする。

ガイオーは憎しみをドッグゲイラーにぶつけるかのように力の限り切り裂いた。

次第にドッグゲイラーは弱り両膝を折った。

ガイオーはトドメを刺す。

『ヘルブレイク』

しかし、その瞬間グレイザーが『グレイシールド』でヘルブレイクを受け止めガイオーを殴り飛ばす。

「テメェ……」

しかし、既に弱りきったドッグゲイラーを見てギレンは飽きたように去って行く。

「あーあ……もう使いもんになんないな……」

ドッグゲイラーはそのまま消滅し、元の犬の姿に戻った……。

いや、元のと言う訳には行かなかった……。

犬は変わり果てた姿で横たわっている。

ガイオーは去って行った。

グレイザーが倒れた犬に近付くとまだ辛うじて息をしていた。

そしてグレイザーは犬の体に貼られたシールを発見しそれを剥がした。

犬を飼い主に返して頭を下げて去って行った。

変身を解除した守が公園のベンチに座っていると晴香がやって来た。

どうやら飲み会を抜け出して来たらしい。

晴香は守を心配そうにして話し掛けてきた。

「ねぇ……大丈夫?さっきの事気にしてる?」

守は首を横に振る。

晴香は更に続ける。

「そっか……じゃあどっかで飲み直そうか」

そう言うと晴香は守を連れて夜の街に戻って行った。

それを見ていたガイ……。

「アイツがあの戦士か……邪魔を……」

晴香は守を連れて小さな居酒屋に来ていた。

「おじさん、焼酎ロックで」

それを注文したのは晴香だった。

晴香は実は酒豪で普段はクラスの皆にバレないようにしてたのだ。

その飲みっぷりは守も驚くものだった。

この日、守と晴香は遅くまで飲んでいた。



続く……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る