第14話 彼女の親友が話す彼女の過去④
夜、光のマンション前の公園。
「どうして一緒に見送りしてくれなかったの? 光も寂しそうだったよ。カナタ君」
「ちょっと用事があってね。それより悪いね、遅い時間に」
本当は3人で居るのが億劫だったからだが。
「私はいいよ。カナタ君、それで何か話かな」
「光の話が聞きたい。柳田とのその後。何かがないと、今の二人の距離感はやっぱり変だ」
にっこりと妖しい笑みを浮かべる。
「そうなんだ~。罰だと思って話したんだけど、自分から続きを聞きたくなっちゃったんだ。もしかして、ドMになっちゃった? そうだったら、そんな変態さんは光から離れて欲しいかな」
「違う。全部知りたいだけだよ。全てを知って、受け入れたいんだ」
まあ嘘だが。
若葉の話が嘘でも本当でも、真実につながる情報が欲しいだけ。
光や若葉を嘘つき扱いしているが、僕も大概だな。
「そう……じゃあ話すね」
「あの家での事があってから、光は柳田にハマっていった。私も話を聞いたときは驚いて引き離そうとしたけど、何を言われても『柳田君はそんな人じゃない』って聞かなかった。柳田をぶちのめしてやろうかと何度も思ったけど、光が絶対やめてと念を押してきた。後は早いよね。私も止めに入らないし、光は帰宅部だし。毎日柳田と手を繋いで帰ってた」
「柳田とは何回もセックスしたみたい。光の家で、柳田の家で、ラブホで……。正直聞くに堪えなかった」
「私の役目ももう終わりかな……って思ってた。柳田は女たらしの糞野郎だけど、光を大切にしていた様だったし。これで改心するなら、ある意味これも純愛かなって」
「でもそうはならなかった。学校がテスト期間で部活が休みの時、久々に光と帰ろうと思って教室に行った。鞄はそのままなのに光は居なくて。聞いて回ったら、柳田と一緒にどっかに行ったって。」
「嫌な予感がした。テスト期間だから人気は少ない。方々探したけど見つからなくて、体育館も当然誰も居ない。電話に出なかったらもう帰ろうと思って、光に電話した。そしたら聞き覚えのある着信音が、体育館の小部屋から聞こえた」
「バカ、ケータイ切っとけ萎えるだろ」
「ごめん。ポケットに入ってるから切って」
「しょうがねえな。まあ、腕がそんなんだから俺がやるしかないか」
あの部屋に、居る。
そして、間違いなく良からぬ事をしている。
いくら光の為とは言え、愛し合っている二人を邪魔していいのか。
年齢的には少し早い行為にふけっているのは私が止めるべき事なのか。
でも飯田事件の時光のお母さんに、泣きながら感謝された。
結果、様子だけでも伺う事にした。
あの小部屋は、扉の上にのぞき窓が付いている。
誰も居ないと安心しきっている二人のボリューム高めの話声は、扉を閉めていても聞こえる。
「よし、こんな感じか?」
「うわ~、全然動けないよ」
新体操で使うロープ? で両腕を上に上げ、立ったまま梁に縛り付けられている光。
同級生の中では大きい光の胸が強調され、衣服は既に若干乱れている。
「ケッコー、ケッコー。俺才能あるかも」
「なんか、変態みたい……」
「コーフンするっしょ」
シャツの下に手を滑り込ませ胸を揉みながら、絡みつく柳田。
微かに喘ぎ声を出しながら、艶めかしく体をくねらせる光。
こんな光景……知っていたけど、見る事になるなんて。
「あっ……イイ……かも……いつもとちょっと違う感じ」
柳田は無言で全身への愛撫を続けている。
「あんっ、……あんっ、……うっ……うっ」
「ああっ、うんっ、くうん、きもち……いいっ」
「なんかどんどんエロイ体になってくよな、お前」
「あんッ、そんなこと、言わないで」
「褒めてんだよバカ」
「あああああっ!」
柳田の責めが下半身に集中する。
「あああああっ‼ ああああンンッ‼‼」
ドアを隔てていても聞こえる、ジュプジュプと水気の強い音。
「まず1回イっとけ」
「ダメッ! ダメッ! いくっ!」
「ああああああッッッ‼‼」
ビクビクと体を震わせる光。
「うわ、床ビッチョビチョ。 後で拭いとけよ」
「ハア……ハア……うん……」
恍惚の表情で脱力している光を、再びまさぐり出す。
「あッ……イった……ばかリだか……ら」
「お前、体柔らかかったよな。これいけそうだな」
光の片足を高く持ち上げる。
新体操のY字バランスのような状態。
「ちょ……っ、はずかしいよ」
「これは俺も初だな。オラ、入れるぞ」
片手でズボンを素早く降ろし、柳田の凶悪なペニスを突き出していく。
光から斜めの位置で、器用にペニスを挿入する。
「ウッ……あああッ‼ 深い! これ深すぎ……ッ!」
「おー、これはハメやすい」
ズチュン! ズチュン!
「あああっ! ダメッ! これッ…! 気持ちいいッ!」
腕が吊られた状態になっている為、倒れようにも倒れられない。
脱力しても、深い角度で貫かれ続ける。
「すっ……ごぉい……! いいっ……! いいっ!」
「声でけーよ、お前」
「だってッ! あああん! がまん……! できないッ……!」
チュル…ムチュル……
光を黙らせるように口を塞ぐ。
「ンむうっ! ムチュる! グチュッ!」
ズチュ! ズチュ! ズチュ! ズチュ! ズチュ! ズチュン!
「あぁぁぁっ! はぁぁぁぁぁっ!」
「プハッ……そろそろイクぞ!」
「ああっ! はいっ! わた……しもっ!」
ズリュウウウ……ドプッ……ドプッ……
「はあ~……」
光の中に放たれた精液が、腿を伝いゆっくりと流れてくる。
光はぐったりとうなだれたまま。
ペニスの精液を拭き終えた柳田が、携帯を取り出してドアに向かってくる。
急いで物陰に隠れた。
「よーっす、俺。今終わったから、来ていいよん。まあ、中におれのザーメン入ってるけどそれでもいいなら。バッカ、自分で拭けって。ああ。じゃあ約束守れよ」
電話を切った柳田が部屋に戻る。
「幸せか~? 光、次は目隠しプレイといこうか」
「……うん?」
紅いハチマキで光の目を覆おう。
「結構……見えないね……」
「だろ? 俺トイレ行ってくるから、ちょっと待ってろ」
再びドアから出て、体育館の出口に向かっていく。
殺したい。
柳田が何をしようとしているか、理解してしまった。
でもまずは……光を助けないと。
「その後は光を連れ出して、全部説明した。最初は信じなかったけど、柳田が他にもやっている鬼畜行為の証拠を突き付けて信じさせた。光はまたしばらく落ち込んで、元気が無くなっちゃったけど。でも最悪の状態は回避できた」
「柳田は脅したらあっさり光を諦めた。大勢いるオモチャの一人でしかなかったのかもね。柳田には条件を付けた。今後一切光と関係してた事を他言しない。光に近づかない。あと既に関係を話している人物も全て吐けと」
「そのまま受験勉強の時期に突入したから、光も切り替えがうまくできたんだと思う。光の中では、今では無かった事にしてるんじゃない?」
「これが、この前の話の続き。どう思った?」
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