急な知らせ
第109話 打ち上げの終わりと楓の異変
それから普通にご飯をたべて、話をして、なんやかんやしていると、お店の閉店の時間が近くなってきた。
ジュースを入れに行った森下さんと光が店員さんとお話ししているようだ。おそらく、「閉店時間が迫っているのでそろそろ…」と言った具合だろうか。
楓はおばあちゃんから電話がかかってきたとかで、現在は不在である。
すぐに話は終わり、こちらに戻ってきた。
ジュースを入れに行ったはずなのに、ジュースの中身は空である。と言うことは?
「光、そろそろお開きか?」
僕は脳内で出た結論を口にする。
「おぉ、よく分かったなぁ、悠。そうだよ」
光は少し驚いたようだ。僕は心の中で、(もうじかんだもんな)と納得する。
その話をした直後、
「みんな! 聞いてね!」
森下さんが、みんなに聞こえる程度の声で言う。ワイワイガヤガヤしていた打ち上げ会場はすぐに静かになる。
こう言う時にしっかり静かになる、このクラスは本当にすごいと思うし、団結力もかなりあると思う。
「時間的にもそろそろお開きにしなきゃいけないの! だから今日のお開きはここまでね! 明日と、振替休日の明後日休んで火曜日からも頑張ろ!」
ほんとうに森下さんはこう言うみんなをまとめる役?とでもいうのだろうか、その役に向いていると思う。
「「「おー!」」」
みんな元気に返事し、帰宅の準備を始める。
僕らも同様、帰る準備を始めた。
その時、楓が帰ってきた。僕と目を合わすと微笑んだ。だけど何か違うかった。その理由に僕はこの時気づいてしまったのだ。そう、目が腫れていることに…。
そして、みんなお金を払い、外へ出る。
そして、森下さんが最後に挨拶をする。
「忘れ物はないね? んじゃ、みんなバイバイ!」
その言葉を聞いて、みんなは仲の良い人たちで帰路に着き始めた。
もちろん、僕は楓と帰路に着く。
「……何かあったのか?」
僕は楓に話しかける。
「うんん。なんにもないよ? どうしたの??急に。それより楽しかったね。悠くんがミックスジュースを飲んだ時はどうなるかと思ったよ」
光に飲まされたミックスジュースでやばかった時のことである。
それより、気になるのは前者の反応だ。(何かを隠している? もしかして、僕の母さんが話そうとしてたこととかに関係あるのかな。それだったら家で詳しい話を聞けばいいか…)と、思った僕は、
「あの時はやばかった」
普通に話を続ける。
「だよねー」
だが、これで、一区切りとなり、しばらくお互いが沈黙する時間が続く。
そしたら後ろからいきなり楓が僕に抱きついてくる。
「?! どうしたの?」
「……ねぇ、悠くん。これからもずっと一緒だよね?」
声が震えていた。どつやら、また泣いているようだ。
そして、僕はくるりと回転し、楓の顔を見ないまま、楓を抱きしめた。
「もちろんだよ。大好きな楓と何があってもずっと一緒だ!」
こんなにいい彼女を手放すわけがない。と、きっぱり言う。
先ほども言ったが、なぜ泣いているかと言うところは母さん達の言いたいことに関すると考え、家に帰ってから尋ねると決めたので、特になんとも言わない。
「…良かった。ありがとう。これからもずっと一緒だよ…!」
なぜか僕と一緒にいることにこだわっている気がする。
(……ねぇ、悠君、知ってる? 私の…が……。このままだと私達…………だよ? けど、もし叶うのであれば……)
母さんから楓の両親の訃報の電話がきたのはこの数分後だった。
〜後書き〜
この小説を読んでいただきありがとうございます! この話は暗い終わりで申し訳ありません。もし、この話を読んで不快な気分になられた方がおられましたら、謝罪いたします。申し訳ありませんでした。
さて、話は変わりますが、もう少しでこの小説は完結します! と言うか、させます! よろしくお願いいたします。
これからの展開もお見逃しなく!
あと少しとなりますが、この小説をよろしくお願い致します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます