第107話 みっくすじゅーす!

 これはみんなで乾杯をした後の話である。

 僕たちは自分が好きなのを頼んだ。

 僕と楓はデミグラスとケチャップのオムライス。「後でシェアしよう」と言うことになっていた。

 光と森下さんはパスタを頼んでいる。どうやら全く同じものを食べるらしい。

 堀川と柳さんは食べさせ合いとかなしで、ただただ自分が好きなものを食べると言うことらしい。

 ドリンクバーは全員で注文し、カップル同士でいれにいく。

 まず最初に僕らカップル組が入れに行く。


「楓は何飲むの?」


 僕は(楓の好きなものをサーチしておこう)と言う意を込めて聞く。と言っても、数分後には楓が自分で選んで入れた飲み物は判明しているのだが。

 

「んー、私はこれにしようかなー」


 そう言って押したのは、炭酸のあるソーダだった。(へぇー、楓って炭酸飲むんだ!)意外な発見があったため、脳内のメモ帳にしっかりとメモをしておく。


「悠君は何を飲むのー?」


 楓にそう聞き返される。

 (そうだなぁ)どれにしようか脳内で考えたのち、


「これにしようかな!」


 僕が決めた飲み物はコーラである。

 (楓も炭酸ジュースだし、別にいいだろう)と言った感じの考えである。


「お! いいね!」


 楓の中でもコーラは高評価なのだろうか、今はテンション高めだ。


「あとで悠君のも頂戴! 私のもあげるから!」


 と、コーラを要求される。

 どうせドリンクバーなのだから、飲み放題。(炭酸のソーダを飲んでからコーラを入れに行ったらいいのだが)と思いながらも、(こう言うのも恋人同士らしくていい)と思ったので、


「分かった」


 と言うことで、ご飯だけではなく、ジュースまでもシェアすることが決まるのであった。


 それから先に堀川たちが入れにいく。

 その後、光と森下さんがいったのだが、光はとてつもないものを持って帰ってくる。

 そして、僕のジュースの横に置かれる。


「な、なんだ?」


「みんなで店に来てドリンクバーといえばこれだろ!」


 光がいかにもようキャののりで、ミックスジュースを作ってくる。


「何を入れたんだ?」


 僕は恐る恐る聞いてみると、


「色んなの押しすぎたからわからん」


「というより、これ飲んで!」

 

 光がこの濁りに濁った水を飲めと言っているのだ。


「いやだ!」


 僕は即否定する。


「まあまあ、一口だけ!」


 光がそう言う。

 こう言う時に(しっかりノると言うことも大切だ)と思った僕は、


「一口だけな…」


 光を除くみんなに「え!?」と言う顔でこちらを見られた。

 楓の場合は僕の彼女として、僕の心配していると言う気持ちも含まれているのだろう。


「じゃあいけ!」


 光がノリノリで行ってくる。

 そうして、心の準備を整えるのに30秒ほどかかった後、


「……いただきます!」

 

 そう言ってみっすくじゅーすに口をつけるのであった。

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