第96話 文化祭(2) 〜いちゃつく文化祭実行委員長〜
そして迎えた文化祭の始まりの時。
放送にて、3年生の文化祭実行委員長が開催を宣言したらスタートする、と言うのがこの学校で決められているようだ。
そして、みんなで開店前の準備を終わらせた。光と森下さん、その他Aグループのクラスメイトは既にメイド服を着ている。
「お、光、似合ってるなぁ」
僕が少し煽り口調で光る言う。
すると、光の顔は一気に暗くなる。
「……」
何も言わずにずっと睨んでくる。
その顔が眉間に皺がよっていて、変顔みたいになっていた。それをみた僕は、
「ははっ」
と、笑ってしまった。
だが、光は急に笑みを浮かべ、
「後で覚えとけよ? やり返したるからな」
と、言われてしまい、頭を抱えるのであった。
堀川も同様に煽っていたが、同じような頭を抱えると言う結末に至ったのだった。
他のクラスメイトはと言うと、テンションはマックス!とても盛り上がっていた。
「どこいくー??」
「劇、みにいこーぜ!」
劇とは3年生がやる劇である。3年生の全クラスが違った劇をするのである。
ちなみに、1年生はこう言った出し物。
2年生は出し物だけではなく、展示。
3年生は劇オンリーである。
「お、いいな! あ、でも、これもいきてぇ! あ、これも! うわー! どうしよう!」
「本当面白そうなの多すぎてこまっちゃうよな!」
そんな声が聞き取れた。
僕は(楓とどこに行くか事前に決めてあるため、こんなことにならずに済むな)と、安心するのであった。
そして、ついに始まりの時がやってくる。
「ピンポンパンポン」
放送の開始をお知らせする音が鳴る。
「よお! みんな元気しとるかっ!!」
(キャラ強いのきたな)と思った。
「今日は待ちに待った文化祭当日じゃ! どの学年も楽しんで、楽しんで、楽しみまくれいっ!」
「「「おー!!」」」
いろんなクラスから声が上がっている。
「1、2年はお金も稼ぐんだぞぉー!」
「おー!!」
飲食物やアトラクションに乗るには事前に購入したチケットが必要になる。
そのチケットがお金となり、その量の多さのランキングも出たりするようだ。
「何言ってるの、
そう言うと、べち、と叩かれる音が聞こえた。
「えへへ、ごめんね、
「も〜、特別なんだぞぉ〜?」
「ありがとう隼人。大好きだよ!」
「俺も大好き!」
校内全土に流れていることを忘れているのか、とてもいちゃついている。
「こら、お前ら! 放送中だぞ!」
先生が怒鳴り込んでくる声が聞こえる。
「あ、ごめーんちゃい☆」
「ごめーん!」
薫と呼ばれていた人が誤ったのだろう。声が聞こえてきた。後に続き隼人と呼ばれた人が謝る声が聞こえた。だが、二人とも謝り方が完全に馬鹿にしている。
「はあ、もう、おまえらときたら、そろそろちゃんとやれ」
と、言ったのは僕らには聞こえなかった。
「素を見せちゃってごめーんちゃい! 私たちみたいにリア充になれるかもしれない企画も考えてるから、怒んないでね!」
「え?まじ?」とか、声が洩れている男子のクラスメイトがいたのは置いておこう。
「んじゃまあ、みんなで楽しんでいこーっ! 文化祭のはーじまーりだぁ!」
「「「「おー!!!」」」」
と言うわけで、文化祭が始まった。
先生の言葉が聞こえてない僕としては、(なんで、先生消えてるの?)と思ったのだった。
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