第71話 楓との遊園地!(8) 〜夕暮れの観覧車〜
食べさせ合う、と言うカップルがするようなお昼を過ごし、そこからまた、遊びまわりに回り、とうとう、勝負の夕方になった。今後のこれからがかかった戦いが始まる。そして、僕の覚悟を決める時だ。
「……楓。そろそろ観覧車に乗りに行こうか」
僕は緊張しながらもなんとか声を出し、楓に声をかける。
「わかった! いこいこっ!」
何をされるかわかっていないであろう、楓は元気に答える。
僕は微笑んでおいた。
そうして、また手を繋ぎ、楓と観覧車方面へと向かっていくのであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして、観覧車に到着した。
一度に乗れる人数も多いため全く混んでいなかったためすぐに乗り込むことができた。
「すぐ乗れて良かったね!」
楓は笑顔でそう言う。今までのアトラクションはすごく待ち時間が長いのが多かったので、すぐに乗れたのが嬉しかったのだろう。
「そ…、そうだね」
僕はやはり緊張してしまい、たどたどしい返事になってしまう。なぜ緊張しているかと言うと、もちろん、この観覧車に乗っている間に楓に告白をするからである。そんなことを考えていると、
「大丈夫? 悠君?」
何か緊張してる? とでも悟ったのか、楓が心配そうにこちらを見ている。
「うん。大丈夫だよ!」
僕は緊張を殺してできるだけ平然に返事をする。
「大丈夫そうで良かった!」
楓はどうやら騙されてくれたようで、ほっと一息ついていた。
(出来ればそんな心配かけたくなかったな)と心の中で後悔しているのだった。
観覧車もだいぶ上に上がってきた。上の方で告白しようと思っていたので、そろそろ潮時だろう。
「わ! 見て! 海が見えるよ!」
楓がちょうど見えるようになった海をみて、はしゃいでいる。
「とっても綺麗……」
楓が海に見惚れている間に、僕はあらかじめ買ってきていた、ある物を後ろに隠して持つ。
もし、今告白が成功しても、楓のお父さん、つまり、康太さんには認めてもらえないだろう。しかし、それに抗うだけの覚悟は決めてきた。康太さんに認めさせる方法もある程度考えた。
楓の隣にいたい、その気持ちを一心に僕は楓に伝える時だ。
「楓」
僕はいつになく真面目に楓を呼ぶ。
「悠君、どうしたの?」
楓は首を傾げて、こちらを見ている。どうやらまだ気付いていないらしい。
僕は(もし振られてしまったらきっと、これは要らない)と思い、用意していた物を気づかれないようにポケットに入れる。
そして、ついに、
「僕は楓のことがずっと前から大好きでした! こんな僕でよければ付き合ってください!!!」
僕はしっかりと言い切って、手を前に伸ばし、体を前に倒すのだった。
〜後書き〜
この小説を読んでいただきありがとうございます! とうとう悠が告白しました! ここを書くのが難しかったです。どうたったでしょうか? 少しでも、良い! と思っていただけたら幸いです!
これからもこの小説をよろしくお願い致します!
追記
投稿予約日1日ずれておりました…。本当に申し訳ありませんでした……。
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