第70話 楓との遊園地!(7) 〜お昼ご飯〜

 ジェットコースターの地獄から解放された僕は気まずい空気からも解放され、また、手を繋ぎ、次行くところの話をしていた。


「そろそろ、ご飯にしないっ? お腹すいちゃった」


 楓がお腹を抑えながら、ペコペコアピールをしている。


「うん、わかった」


 僕は2つの返事で承諾し、僕らは、ご飯屋さんに向かうのであった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 そして、僕らはレストランに到着した。とてもオープンな店で、外で食べることもできるようだ。


「悠君何食べるの?」


 楓がそう聞く。


「んー、」


 僕はこれと言って(食べたい!)と思うようなものはなかった。ので、黙り込み、メニューと睨めっこしてしまう。


「まだきめてないかっ!」


 (楓は時々心を読んでくるから怖い)と、僕は改めて思うのであった。


「そう言う楓は決めたの?」


 やられたらやり返す方式で聞き返す。


「私はこれ食べるよ!」


 と、言って見せてくるのは楓の大好きなオムライスだった。(このデート服が汚れたら?)とかを考えないのだろうか?

 

「美味しそう!」


 僕は正直に感想を述べる。すると、


「でしょでじょ! でね、お互いに違う味頼んで食べ比べしようよ!」


 (これは楓との間接キスのできるチャンスなのではないか)と、僕は思い、


「わかった! デミグラスのオムライスにするわ!」


 それを聞いて楓がさらに微笑んで


「…ありがと」


 そう返事をした。

 そして、注文をし、たわいもない話をしていると、オムライスのダブルセットが届いた。


「わぁー! 美味しそう!」


 楓は目をキラキラさせながら言う。それも僕は同様で、


「本当に美味しそう」


 そんなことを口で述べてから、口へと運ぶ。


「うわ! おいし……」


 そう言いかけた時、楓も、同様に、


「うわ! とても美味しい!!」


 同じことを言っていた。


「じゃあ、悠君! こっちのケチャップもどうぞ。はい、あーん」


 そう言いながら、オムライスの乗ったスプーンを僕の前に差し出してくる。(あぁ! これは数十秒前まで楓の口の中にあったスプーン! デートで間接キスさせてもらえるなんて、最高!)そんなことを思いながら、僕も大きな口を開けて、オムライスを食べる。ケチャップもとても美味しかった。


「悠君、遠慮しなくなったね……」


 楓はふと、そう呟く。


「何かいった?」


 僕が何かあったような気がしたので、


「あ、ううん! なんでもない! それより私にも食べさせて!」


 そう、楓が言ってきた。ので、僕はすかさず、


「はい、あーん」


 僕はされる時はそんなに照れなかったのに、自分が渡す側になると、凄く照れ、そのままスプーンを運ぶ。そして、僕の口の中に数秒前まであったスプーンが、楓の口の中に入る。

すると、楓は


「こっちも美味しい!」


 全く僕の照れなんか無視で、そう言った。


「………よかった」


 そう言って僕は照れを隠しながら笑った。

食べさせ合うのはこれで終わりで、残りを食べ尽くすのであった。

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