第49話 天野家での出来事
時は柳さんと悠君が一緒に帰ると言う話をする前まで遡る。
〜楓視点〜
(私ちゃんとできてたかな?)
できるだけ悠君に関わらないようにすると言う事を今日実行した。そして澪ちゃんも大倉君も部活だった。こう言う日は必ず悠君と帰っていたが今日は私が急いで学校を出て、猛ダッシュでバス停まで行き、1本前のバスに乗り込んだ。もちろん優君と同じバスにならない為だ。
(やっぱり辛いなぁ)
私は早く前までの関係に戻りたい。だが、(それでは我儘だ。悠君に迷惑をかけてしまう)と思っている。ので今は戻らない。
(今日お父さんたちにまだ付き合ってない事を打ち明けて、そして明日告白すると宣言する。そうすれば認めてもらえるのではないか)
私は早く戻りたいと言うのでこう言う案を考えついた。
(よし!)
私は解決策が見つかったので少し気分が明るくなりながら家に帰るのであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして私は家に着いた。
「ただいまー!」
そう、私は元気にドアを開けて家に入った。
「おかえり! 楓」
そう、私のお母さんが返してくれる。私は特に用事がなかったため普通に部屋に戻って、勉強しようとしたのだが、まったく集中できなかった。おそらく悠君との問題が私の中で引っ掛かっているのが原因だろう。
(はやく話さないと!)
そんな事を思っていた。が、気付けば夜になっていた。
(わ、寝ちゃってたんだ)
そのことに気付いた。下からはお父さんの声も聞こえて来た。どうやら帰って来ているらしい。その時、
「楓! ご飯できたわよ!」
お母さんは大声で下の階から叫んでいる。
「はーい!!」
と、叫び返した後に私は食卓に向かう。そして私は覚悟を決めなければならない。「付き合っていない」と正直に言ってかつ、お父さんを納得させなければならないからだ。
そんなことを考えながら1階に降りて来た。
「さあ、食べましょ!」
家族3人みんな揃ってごはんを食べはじめる。今日の夜ご飯は刺身でサーモンやマグロなどがある。私は緊張しているあまり、しばらく言い出せなかった。もうすぐ食べ終わると言う頃、が、私は覚悟を決めて今、言おうと思ったその時、お父さんが先に口を開いた。
「楓、明日悠君をこの家に連れてこい。彼との関係について話したいことがある」
今まで聞いたことないくらい暗い、怒ったような声で言った。どうやら怒っているようだった。とてもではないが「告白をしたい」と言う話ができない空気になってしまうだ。お母さんも話は聞いていないようで驚愕の顔を浮かべている。
「わかった」
そう言い残し、即座にご飯を片付け、私は部屋に戻って行った。
(ごめんね、また私のせいで迷惑をかけちゃう)
私は部屋で頭を抱えるのだった。
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