第37話 天野家と悠

 僕は楓を家に送るために天野家にやってきたが、康太さんに「話を聞かせてくれ!」といわれたので天野家リビングにやってきていた。


「まずはさっきはいきなりすまなかった。俺は天野 康太あまの こうた。この娘の父だ。よろしく頼む」


 謝罪と自己紹介と挨拶をしてきた。

 きっと僕の名前も知らないだろうので挨拶を返すことに。


「いえいえ。僕は北村 悠と言います。こちらこそよろしくお願いします」


 ちょっと礼儀を乱して挨拶をした。僕だって少しは怒っているからだ。


「悠君だね。とりあえずうちの娘と仲良くしてくれてありがとう。出会いはどんな感じだったんだ?」


 (出会いか。それを知ってどうするのだろうか)と思いながら回答する。


「こちらこそ仲良くさせてもらってありがとうございます。出会いは高校入試ですね」


 僕はありのままで答える。

 康太さんは少し驚いたような顔をした。

 


「そんな前からなのか。なるほどな…」


 何がなるほどなのか僕にはわからなかった。ここで冬美さんが口を開く。


「悠君ったらね、楓をたくさんの危機から救ってくれたらしいのよ。まずはドッヂボールの……で次にお友達の誕生日の時に………って感じ助けてくれたことあるのよ。私はこの人なら任せてもいいと思うのだけど、康太さんはどう?」


 冬美さんは僕にウィンクをしてきた。アシストを入れてくれたようだが、(付き合ってないから! 認められても困るんだが!? まあいずれにしよ、告白して付き合う【あくまでも理想上の話】のだからその時に助かるな…)と考えたりしていた。


「そうなのか? 2人とも」


 康太さんは僕と楓に事実が聞いてくる。


「うん。助けてもらったのも事実だよ」


 僕は(え!?)と言う反応を心の中でしてしまう。認めて欲しい。つまり楓と付き合っている上での話だ。

 でもここで「付き合ってません!」などと、話を逸らしてしまうと康太さんが激怒どころか楓に二度と近付けなくされるたろう。

 (どうするの?)と楓を見ると口パクで(合わせて)と言ったような気がした。おそらく楓は僕を守ろうとしてくれている。のでここは合わせるべきだろう。


「は、はい。助けたりしました。ぼ、僕からもお願いします」


 少し緊張してしまったせいで声が震えてしまった。

 が、康太さんは状況からそうなるのは理解できるのだろうか。何とも突っ込んでこずに


「ここにいる俺以外全員が認めると言うとはな。よし、俺も悠君を信じてみることにする。それにうちの娘を助けてくれてありがとう。どうかよろしく頼む」


 と言うことは僕は認められたのだ。(これで楓と本当に付き合う時の困難が減ったな)と思った。それにお礼も言われたので


「ありがとうございます!」


 僕はそう言って頭を下げた。

 これって本当に付き合ってて、付き合うのが許されたみたいだね。てかそうだね。


「ありがとうお父さん」


 そう言って楓も微笑んでいる。これが本当にだったら嬉しいのだが……違う違う。本当にナイス演技だ。


 これなら何ともなく帰れるだろう。と思い僕は


「そろそろ時間やばい気がするので失礼します」


 僕がそう言うと


「泊まって行ってもいいんだぞ…?」


「あら、いいわね!」


「!?!?」


 僕は分かりやすく動揺してしまう。


「もう! お父さん、お母さん!」


 楓は顔を真っ赤にして怒っている。

 (何故顔が真っ赤なのだろうか…?)僕はそう思う。


「流石に早いな。引き留めて悪かったな、悠君」


 康太さんと冬美さんは笑いながら冗談混じりでそんなことを言ってくる。


「…いえいえ。では失礼します」


 そう言って僕は家を出た。楓も見送りで外に来ている。


「色々話を合わせてくれてありがとう。また後で連絡するよ」


 そう言うと


「わかった。待ってるね」


 そう言い僕は楓と別れて家に帰るのだった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 〜後書き〜


 先日1日で670PV達成致しました! 皆様読んでいただきありがとうございます! 星も70達成! フォロワーも97人ともう少しで100人です! フォローしてくださっている方々、星をつけてくださった方々にはvery感謝です! 読んでくださっている方々も感謝です! もし良ければこれからも読んでいただけると幸いです!

 これからもこの小説をよろしくお願い致します!

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