間章(1) 森下 澪との出会い◎

 〜天野さん視点〜


 私は入学式の日、北村君と連絡先交換をして別れてから帰ろうとしていた。がそこに1人の美少女が話しかけて来た。


「あの! 天野 楓さん!」


「どうしたの?」


 私がそう言いながら、話しかけてきたこの方を見ると、見覚えのある人だと言うことに気づく。

 そう、私が(しゃべろー!)と思っていた森下さんだったのだ。


「確か、あなたは同じクラスの森下さんね!」


「そうです! ありがとう! 覚えててくれて!」


 森下さんはニコッと笑った。


「全然! 名前覚えるの得意だから!」


「そうなんだ! でね、よければこれからちょっとお茶しない?」


「うん! いいよ!」


 そう言うと森下さんは満面の笑みを浮かべた。

 こうして私たちは近くにある、喫茶店にやって来ていた。


「この小説読みましたか!?」


 私たちが話しているのはあるラブコメの小説についてだった。そういえば、森下さんも自己紹介のとき「小説が好きです!」みたいにいってたっけ?


「うん! 読んだ読んだ! 2人の行きそうでいかない、そんな距離感がたまんないよねー!」


「もーっ! ほんとにそれ!!」


 私たちは小説の話しているうちにすっかり意気投合した。

 そして、どんどん時間が過ぎていき、そろそろ帰らないといけない時間になった。

 帰る前に


「はぁー、すごく楽しかった! ねー!ちゃん! 連絡先交換しよ!」


 もう既に名前呼びになっている。それほどこの2人は息ぴったりだったのだ。


「うん! いいよ! 澪ちゃん、これからもよろしくね!」


「こちらこそ! よろしくね! 楓ちゃん!」


 そういってお互いに手を振り、別々の方向に向かって歩いていく。


 (とっても楽しかったなー。もっと仲良くなりたいな!)


 私はそんな事を思っているのだった。

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