第20話 デパート? そんなのないよ?
僕らは降りる駅につき切符を入れて改札口の外に出る。
楓「さあ、北村君行こ!」
悠「うん!」
そう言って天野についていくのだが僕は(こっちじゃなくないか?)そんな事を思うのだった。僕はしっかりと家で調べてきたので分かるのだがデパートに行くには北口から出ないといけないはずだ。なのにそっちは南口、つまり真逆だ。(指摘した方がいいのかな?)そう思ったがいかにも(私についてこい!)感すごいのでやめておく事にした。もしかしたら知らない道を通るかもしれないし、別のとこに寄りたいのかも知れない。
天野についていくとやはり南口にやってきた。
楓「あれ?デパートどこ?」
(やはりデパートに向かってたのか)と思い苦笑し、僕は指摘する。
悠「………天野。こっちは北口じゃなくて南口だぞ」
天野はえ?と首を傾げている。
楓「あれ、南口から出てすぐにあるんじゃなかったっけ?」
どうやら天野は出口を間違えていたのではなく、ある場所、つまり位置を間違えていたようだ。
悠「すまんがデパートのある出口は北口なんだ」
天野はがっくり肩を落とした。一応デートなのだから迷惑をかけるのが申し訳ないのだろう。と予測してたのだが
楓「ごめんね。北村。私のせいでとっても遠回りになっちゃって」
予測通り申し訳なく思っていた。まあがっくり肩を落としてるんだから確定だよね。
悠「全然。気にしないでよ」
全然怒ってないよと言うアピールのためにできるだけ優しい声色で言う。どうやら楓もその言葉で怒っていないと判断したようで
楓「ありがと! 北村!」
そう笑顔で微笑んだ。
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それから北口に行くと本当に目の前にデパートがあり、僕らは入って行った。今はどこで森下さんの誕生日プレゼントを買うべく、地図を見ている。
楓「んー、どこならお揃いの品買えるかな?」
どうやら天野は森下さんが(楓ちゃんとお揃いのもの欲しい!)とぽつりと言っていたのをしっかりと聞いていたようでそれを「おそろっち!」と言って森下さんに見せる算段のようだ。
楓「あ!ここ行ってみたい!」
天野が指差しているのはキーホルダーを紹介している店だった。
悠「じゃあ僕はお菓子でもプレゼントしようかな?」
どうやら森下さんはチョコレートが好きらしいのでちょっとお高めのを買って持っていこうと思う。もちろん溶けないように氷を入れて。
楓「そか!じゃあまた連絡する!」
悠「おけ!」
デートのはずなのに別行動になってしまったが、お互いの買うものが違いすぎるのでしかたないと割り切る僕だった。
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