第2話 クラス発表◎
学校に着き、体育館に行くように指示された僕らは体育館に向かっていた。どうやらここでクラス発表についての紙が配られるようだ。僕は天野さんと一緒に体育館に入ると
「え? あの子めっちゃ可愛くね??」
「それに隣にいる奴なに? 彼氏??」
こんな同級生(?)の声が耳に入る。
天野さんの可愛さがわかってくれるのは嬉しいのだが、僕なんかを彼氏に間違うのはやめて欲しいところだ。こんな美少女の彼氏になれるわけがないのに。
でも、なりたくないと言ったら嘘になるが。
そして先生からクラスの紙をもらった瞬間僕は自分の名前ではなく、天野さんの名前を探す。
(………あった)
天野さんは3組のところに名前があった。そして肝心なのは同じ列に僕の名前がある事。そして僕は3組に自分の名前を見つける事ができた!
「よっしゃぁぁぁぁ!!!!」
僕は大胆にも大声で叫んでしまった。先生方に、
「うるさい!! 静かにしなさい!!」
と注意されてしまった。周りの反応はと言うと、
「何あの美少女の隣にいる人。やばくない?」
「あの頭オカとは関わらない方が良さそうだな、こっちまで頭オカになりそうだ」
みたいに、周りから僕の悪評ばかり聞こえてくる。これは天野さん以外の友達ができるのは絶望的かもしれない。
横を見ると天野さんは目を見開いて、どうしたの!?!? と言う顔をしていた。
まあ、それは当然だろう。
「あ、ごめんね。天野さん」
「まあ良いんだけど。急に叫ぶんだから心臓飛び出ちゃうかと思ったよ」
それは中々の驚きだなと思った僕は誠心誠意謝罪する
「本当に申し訳ありませんでした」
「いいよ! そんなに綺麗な謝罪しなくても! ちょっとびっくりしちゃったけど、全く怒ってないよ!」
(それならよかった)と僕はほっとした。
でも僕が一番聞かれたくなかったことを聞いてくる。
「そういえば何に喜んでたの?」
「…、答えないとダメ?」
僕としてはどうしても答えたくはない。なぜなら理由は天野さんと同じクラスになれて嬉しかったからなのだから。
そんな事を言ってしまうと、ドン引きされ、2度と話してくれなくなるだろう。と、言う理由からだ。
「ダメ! 私をこんなにびっくりさせたんだから!」
天野さんも諦めてくれる気はさらさらないようで、早く言って! と、目からもとても伝わってくるので、
(はぁ、これも自業自得か。終わった僕の青春)
覚悟を決めた僕は、
「…………天野さんと同じクラスになれて嬉しかったからつい喜んじゃったんだ……」
「ーーっ!! ……もう! なんでそんなことをそんな大胆に喜んで表現するの!」
(え、まさか照れてる? さらには怒ってない? 嘘だろ…?)
僕の内心は大変なことになっているが、天野さんと同様の軽い感じのノリで言ってみることに。
「ごめん。ついでちゃって」
「もう、私まで恥ずかしくなってきたからやめてよ!」
「ごめんって! 許して! 天野さん!」
「嫌だー!」
ぷんぷんと怒ってかつ、少し顔を赤らめた天野さんは、言ってはいけないような気がするのが結構かわいかった。
それから少し話しているとでいつものテンションに戻った。
(僕の青春終わらなくて良かった…)と、内心ではほっとしているのであった。
「それでは自分のクラスに向かってください! 地図はクラス発表の用紙の後ろに載ってます!」
ということで、僕らの教室となる1年3組へ天野さんと向かうのであった。
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