第1章 高校生活の始まり
学校の始まり編
第1話 初登校◎
僕は高校の制服に袖を通し、今日、ついに初登校を迎える。あの美少女の笑顔が素敵な天野さんと会えると思うと胸がドキドキしている。だが、今の大事な問題といえば天野さんと同じクラスになれるか! そう言うことだろう。
(まあそんなこと今は考えてもどうしようもないし、僕は普通に登校しよう)そう思った僕は家を出る
「行ってきまぁーす!」
「いってらっしゃい!!」
元気に外に出た僕はバス停に向かっている。このバス1本で割と学校の近くまで行く事ができるのだ。
「〜〜〜♪〜〜♪〜」
呑気に鼻歌を歌いながらバス停へと向かう。
そうして家を念のために早く出たからか、10分前にバス停に着いてしまった。
(あぁ、ひまだなぁ)そう思いながら、(天野さんがもしこのバス停に来てくれたら見たいな妄想しておくかぁ…)そう思った僕はぼーっと天野さんとのバス通学を想像していた。
バスが来るまで後5分に差し掛かった頃に忘れもしない、僕の初恋の相手の声が僕の耳に入る。
「あのー、北村くんっ」
僕は何が起こっているのかわからず呆然としていた。
もちろんそうなる。だって、妄想が現実になるなんてとてもではないが思わないのだから。
「あ、あのー、北村くんですよね?」
天野さんがもう泣きそうな、震えた声でぼくに再び話しかける。
知らない人に間違えて話しかけてしまったことが悲しいのか、もしかすると、僕が無視してしまったのが寂しいのか、わからないが、すぐに返事するべきだろう。
「………あ、うん! 天野さん! おはよう! ごめんね。まさか天野さんがこのバス停に来るなんて思わなくてつい驚いちゃって」
それから、楓の表情は分かりやすく変化し、
「よかった! 別人かと思ったよ! 改めておはよう! ちょっと前の家との距離の関係で少しおばあちゃんの家にお母さんと一緒に来ててね!』
どうやらよっぽど遠いらしい。ここからでも半時間はかかるだろうに。
「なるほどね! しばらくこのバス停から乗るの?」
僕は天野さんとの毎日登校がかかった質問をする。
「うん! そうなるかな!」
(よっしゃゃゃ!!天野さんとの毎日登校実現! さいっこう!)心の中でそんなことを思っているとバスが来た。
「あ、バスきたね。じゃあ乗ろっか」
「うん!」
こうして僕らはバスに乗り込み、天野さんといろんな話をすることになった。例えばこんな話
「今日入学式だよねー。あ! そうそう! 私今日みんなの前で話すの! 聞いててね! 北村君!」
なんとも衝撃的な言葉が発せられた瞬間だった。入学式の日に前で発表する。それは学年主席の人がやることである。つまり天野さんは入試1位での入学と言うことになる。
「それはもちろんだけど…。え! 天野さんって主席だったの!」
僕は改めて確認の意を込めて聞いてみる。
「そうだよ?? 言ってなかったっけ?」
(いや! いかにも言ってましたよ感出すのやめて!)と、心の中で突っ込んだあと、
「絶対言ってない! 聞いた覚えがない!」
「本当に?? それって北村君が覚えてないだけってことはない?? 大丈夫?」
天野さんは悪戯に、こんなことを聞いてきた。
本当の事実というのは、天野さんはそのことを話していないので、天野さんが悪いと言うことになる。
「うん! そんなことない! なんだって……」
自信満々にないと言ったので天野さんも(そろそろ辞めよう)とでも思ったのか、正直に白状した。
後ろの言葉には気にしないでほしいが気にした様子もなく、
「そかそか。ごめんね。言ってなかったです」
天野さんがぺこりと礼儀正しく頭を下げる。
「全然いいよ!」
もちろん、僕は許すのだった。
そんな感じの会話をしながらバスは着々と進み、それから少し歩いた後に、ついに学校に着くのであった。
次はクラス発表編!
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