流川瑠夏と4人の変態
……と言うわけで、俺は今下心満載の四人の男たちと一緒に梨音の練習風景を見ているのである。
「いやー、流川氏! 本当にありがとうございますでござる! 貴殿と友達でよかった!」
「流川、ありがとう。お前のおかげで新しい漫画のアイディアが浮かんだよ。お前と友達でよかった」
「デュフフフフ……流川くん、君と友達でよかった」
「あ、あ、ありがとう……流川くん。流川くんと友達でよかった」
いやいや……感謝されても困るんだが
「お前らが一方的に俺を友達呼ばわりしてきて、そんでもってブルマ姿の女の子を見に来たんだろうが……というか、一昨日俺をボコボコにしておいて、随分と現金なやつらだな」
「いや、僕は漫画のアイディアだけどね。それに、僕は君を最高の友達と思っているよ」
「……とか言いながらじーっと見てんじゃねぇか」
俺は呆れに呆れ、はぁー……と長く大きなため息をついた。
「デュフフフフフ……そういう流川くん、君も門矢さんを見にきたではないか」
「お、俺は純粋に彼女を応援に来ただけだ!」
「デュフフフフフ……いいものですな〜青春ですな〜」
ボコボコにされた後は、関係を茶化された俺であった……
「あれ? そういえば、原君は?」
「原氏でござるか?」
「うん。だって原君こそ俺らのチームの中では一番女の子好きそうなイメージがするからさ……」
「「「「……」」」」
「ん? どうした? みんな?」
俺が原君のことを聞いた途端、四人はなぜか急に俺から目をそらし、黙り込んだ。ただ普通に聞いただけなのに……なんでだ?
「いや……流川氏、わかりますよね?」
「原は僕たちとは違う陽キャだぞ?」
「そ、そ、そもそも俺たちみたいに、こそこそ遠くから女を見るようなことはしない」
「デュフ……やつはナチュラルに女に話しかけ、コミュニケーションを取る手法をやっているのさ」
四人はそれぞれ原君をこう評した。……そうだわな。チャラい人って遠くから見つめるようなことしないよな。
……でも
「門矢! ナイスレシーブ!」
「まだまだ行くわよ!」
俺は原君みたいに色々な女の子に話しかけるスキルは必要ない……なぜなら、可愛い彼女がいるからだ!
……まぁ、紫苑とか亜姫とか変な女からは好かれるけどな。
「梨音ー! がんばれー!」
俺は梨音に大声でエールを送った。
「る、瑠夏ぁ!?」
梨音は俺の存在に気づくなり、驚きつつ、顔を赤らめていた。……かわいい。
そして彼女は、チームメイトから許可を取り、俺のそばに来た。
「瑠夏、大丈夫? 見張りの先輩にやられなかった?」
「あー、見張りの人なら大丈夫。梨音の彼氏って言ったら通されたから」
「そ、そう……それで、なんでここに?」
「この前応援に来てくれたから、俺も応援に来たんだよ。それに、普通に頑張ってる梨音が見たかったからさ……」
「る、瑠夏……」
梨音は照れくさそうに、目をそらしつつ、頬をかいた。俺はそんな表情の彼女を見て、微笑ましくなっていたのだが……
「ありがと……」
「ん!?」
「「「「あ!?」」」」
「「「「「キャー!!!」」」」」
急に梨音が俺の頬に口づけをしてきた。その様子を見た俺のチームメイトは怒号を出し、バレーボールに参加している女子たちは黄色い悲鳴をあげた。
「ちょ、ちょっと……梨音!」
「……ごめん瑠夏。私、我慢できない」
「えっ……ちょっと!?」
梨音は急に俺を押し倒してきた。
「り、梨音……?」
「はぁ……はぁ……」
背中には体育館の床の冷たさを感じ、顔には梨音の鼻と口の息がかかり、温もりを感じた。
「り、梨音……みんな見てるから。お、落ち着こう……ね?」
「ごめん。無理」
「んんん!? んんんんん!? んんんんんんんんんんんん!!」
周りにたくさんの人々がいる中、俺は梨音からマウス・トゥ・マウスでキスをされた。
しかも、舌を入れて……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます