第4話 普通のことだった

『下駄箱にある君の靴にくっつきたい』4話

ルーカスは椅子に座り、松野さんと目があった。ルーカスはクスッと笑い話した。

『初めまして、3年のルーカス•キングと言います。僕の悩みは人に恋愛感情がないことです。誰かを好きになることもあるし、みんなの笑顔も大好きだけど恋愛とはちょっと違います。でも、悩みっていうほど悩んではいません。ただこれって普通ですか?』

松野さんは考えて言った。

『それはアセクシュアルといって他者に対して性的欲求や恋愛感情を抱かないセクシュアリティのことだと思うよ。でも、愛情がなくても誰かと家族になりたいという気持ちはあると思うし、普通か普通じゃないかと言われたら難しいけど、僕にとっては普通のことだと思うよ』

ルーカスは一礼をして言った。

『ありがとうございました』

そして、部屋を出ていった。


次に現れたのは南礼司だった。

彼は浮かない表情で部屋に入ってきた。

彼の悩みとは何なのか。

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