第52話 フルメンバー

「名字は…なんだっけ」

『ルージュ・アイミ―』

『ルージュ・エイミーだけど』

『誰?』

『なに、この女』

「こっちのセリフだわ。伊藤エミよ」

「おいおい、3人とも仲良くしてくれ。

これから俺の街で過ごす数少ない仲間だろ」   


「で、そっちの姉ちゃんは何だ?」

「わたしの親友」

「初めまして、結希ナミです」

「で、そのナミはなにしに?」

「わたしが、とある世界に引っ越すって話たら、ナミも一緒に行たいって。いい?」

「好きにしろ。ただし家に帰れないつもりでな」

(そーじゃねーだろ。せめて親御さんがどうとか聞けよ…)


「ね、着替えが欲しの。下着とか洋服とか。だからデパート作ってよ。

渋谷PARCOでしょ、渋谷マルイ レディスでしょ、そごう、松坂屋、あと伊勢丹!」

『わたし銀座三越!』

『横浜高島屋ね』

「あと富士急ハイランドにビーチにクルーザー。

温泉地に赤とんぼ飛ばして。ヒグラシも」

(伊勢丹に富士急ハイランドって、エミたち何の話してるの?)(あ・と・で)

分かった分かった。あとワイン工場とビール工場も作っとくか。


では新生アナザーワールドへご招待と行こうか。

 

アナザーワールドのマンションを、建物を、街並みを見たナミが

「うっそ―――」と驚いたのは言うまでもない。













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る