if ステラとの未来

 エンブラの街で行われた闘技大会。

 その決勝で、ぼくはミーナと戦い、戦術をすべて退けられ、クリーンヒットを受けた。

 カタリナが何か叫んでいるのが聞こえるが、ぼくの意識はだんだんと薄れていった。


 目を覚ますと、アクアとカタリナ、ステラ先生がぼくの様子を見ていた。


「ユーリ君、目を覚ましましたか。状況は分かっていますか?」


 そうだ、闘技大会! いや、あの時、ぼくは負けたんだな。最後の状況を思い返してそう確信した。

 負けてしまった。ぼくの中には悔しさが渦巻いていた。


「ごめんなさい。せっかく応援してもらったのに、負けてしまって。せっかくだから、いいところを見せたかったんですけどね……」


「いえ、気にしないでください。ユーリ君はよく頑張ってくれました。本当に、ユーリ君が素晴らしく成長したことが分かる、いい試合でしたよ」


「あんた、くよくよしない。ミストの街に帰ったら、あたしが手料理を食べさせてやるんだから、それで満足しなさいよね。その程度じゃ足りないなんて言ったら、許さないわよ」


「ユーリ、格好良かった。負けたのは残念だけど、ユーリは最高だった」


 みんなが慰めてくれたけど、ぼくの心から暗い物は消えなかった。

 みんなにせっかく応援してもらったのに。カタリナも、アクアも、ステラ先生も、いっぱい手伝ってくれたのに。


「ユーリ君、そんなに暗い顔をしないでください。ユーリ君が悲しそうだと、私まで悲しくなってしまいます。

 ……そうだ、ユーリ君、アクアちゃん、2人に、贈りたいものがあるんです。ほら、ユーリ君、手を出してください」


 ステラ先生に言われるまま手を差し出すと、2つの指輪を手のひらに置かれた。これはいったい何だろう。


「これは、契約者と契約モンスターの関係で、契約技を強化したり、とても習熟すれば、思考を送りあうこともできる指輪なんです。

 仲のいいユーリ君とアクアちゃんにぴったりだと思いまして。ほら、着けてください」


 そんな効果のある指輪、聞いたことがない。

 でも、ステラ先生が嘘を吐くとは思えないから、きっと本当なのだろう。

 もしかしたら、すごい道具なのかもしれない。ステラ先生に言われるままに指輪を着け、アクアにも着けてもらう。


「良く似合っていますよ、ユーリ君、アクアちゃん。ユーリ君、アクア水を使ってみてください」


 言われた通りにアクア水を使ってみると、以前よりアクア水をうまく出せるような感覚があった。思考を送ろうとしてみても、上手くは行かなかった。


「どうでしょうか? 使いやすくなったんじゃありませんか? これから、この指輪をどんどん使って、アクアちゃんとの仲も深めていってください。ユーリ君、アクアちゃん、ずっと仲良くいてくださいね」


 アクアとずっと仲良くいることは、ぼくの中では当たり前の事だったけど、アクアとの仲を深めるために、しっかり努力しようと改めて思えた。

 ステラ先生、負けてしまったぼくにこんな物をくれるなんて。

 でも、ステラ先生の優しさに恥じないように、ぼくとアクアは最高の契約者と契約モンスターになろう。そう誓った。


「もちろん、アクアとはずっと仲良くしているつもりです。ね、アクア?」


「当たり前。ステラが心配しなくてもいい。でも、ステラ。ありがとう」


「どういたしまして、ユーリ君、アクアちゃん。ふふっ、ユーリ君が元気になってくれて、私は嬉しいです」


 ステラ先生に慰められてしまったな。

 でも、嬉しい。ステラ先生にも、ぼくとアクアは仲がいいと思ってもらえているんだ。

 それに、ステラ先生がぼくが元気になることで喜んでくれることも嬉しい。ステラ先生は、本当に尊敬できる先生だ。改めてそう感じた。


「あんた、随分いいもの貰ったみたいじゃない。それをしっかり使いこなして、あたしの役に立ちなさいよ」


「わかった。まあ、カタリナとぼくたちはパーティなんだから、ぼくがしっかり成長するだけで、カタリナの役には立てるよね」


「それだけじゃなくて、ちゃんとあたしの役に立てるように考えなさいよね。ま、いいわ。あんたにそこまで期待はしていないわ」


「カタリナ、素直じゃない」


「はあ!? アクア、あなた何のつもりよ、そんなこと言って。こいつはずっとあたしに助けられてきたんだから、それを返すのは当然ってだけよ」


 確かに、カタリナにはずっと助けられてきた。

 ぼくが倒せないようなモンスターをぼくの代わりに倒してくれることが何度あったことか。

 カタリナに感謝しているのは事実だし、恩返しもしたいと思っているけど、こういうことを自分で言ってしまうのが残念というかなんというか。


「ふふっ。仲がいいですね、みなさんは。ミストの街に帰ったら、みなさんに提案したいことがあります。ぜひ、聞いてください」


 ステラ先生の提案か。一体なんだろう。

 まあ、よほど無理なことでないなら、その提案は受けたいな。ステラ先生にはお世話になっているから、できるだけ返していきたい。


「わかりました。楽しみにしておきますね」


「いくらステラ先生でも、おかしな提案をしたら許さないんだから。ちゃんとしてくださいよね」


「心配しなくても、大丈夫ですよ。みなさんにとっていい話のはずですから」


 それから、ミストの町へと帰った。帰ってすぐにカタリナが食事をごちそうしてくれた。とても美味しくて、また食べたいと思った。


 その数日後、ステラさんからの提案を聞くことになった。


「わたしがみなさんに提案したいことは、カーレルの街で冒険者をしないかということです。あそこは私の故郷ですから、里帰りのついでに、みなさんのサポートをしようかと」


「サポート、ですか。それはどんな?」


「あなたたちが前に会った、アリシアさんやレティさんに、冒険者の活動を教わることを依頼します。

 その他に、その街で有力な貴族とのつながりも得られるようにします。あなたたちの拠点として、わたしの家に住んでもらうことも考えています。どうでしょう?」


 この提案を受けて、ステラ先生の役に立とうと考えていたけど、これじゃステラ先生に貰うばかりだよな。いいのかな、そんなので。


「とてもありがたいですけど、ステラ先生の負担になってはいませんか? そうだとすると、この提案は受けられません。ごめん、カタリナ。でも、そういうことだから」


「いえ、気にしなくて構いません。それほど負担という訳ではないですし、それに何より、私はユーリ君とアクアちゃんがその指輪を使いこなしているところが見たい。その姿が見られれば、私は満足です」


 この指輪、何か特別なものだったりしないよね? さすがにそんな物をただの生徒に渡しはしないか。でも、ステラ先生がそれを見たいというのなら、頑張ろう。


「だったら、受けておいた方が得よね。あたしだって、ステラ先生の事は信頼しているわ。ステラ先生なら、妙なことはしないでしょ」


「そうだね。ステラ先生、その話、受けたいと思います。ステラ先生がこの指輪を使いこなしているところが見たいと言うなら、絶対に使いこなして見せますから」


「ありがとうございます、ユーリ君。ですが、焦りは禁物ですよ。その指輪は、契約者と契約モンスターの絆がとても大事なんです。絆という物は、無理に深めようとして深まるものではありませんから」


 確かにそうだろう。ぼくはもともとアクアともっと仲良くしたいと思っていたけど、無理に近づこうとしてもうまくいかないはずだ。

 でも、これを渡そうってステラ先生が考えたってことは、ぼくとアクアがそれだけの関係になれると思ってくれているということなのだろう。それが、とても嬉しかった。


 ステラ先生の提案を受けて、ぼくたちはカーレルの街で活動することに決めた。ぼくとカタリナは、そのための準備をしているところだった。


「あんた、ステラ先生にそんなもの渡されて、あそこまで手伝ってもらう予定なんだから、絶対に無様をさらすんじゃないわよ。そんなことになったら、ステラ先生がとても悲しむでしょうね」


「当然、そのつもりだよ。ぼく自身も頑張るつもりだけど、カタリナだっていなくちゃ、ぼくたちは指輪を使いこなせないと思う。カタリナ、よろしくね」


「当然よね。あんたはあたしがいなくちゃ、何もできないんだから。でも、ま、ユーリとアクアなら、きっと絆は深められるでしょうよ。

 あんたがどれだけ強くなるかは知らないし、指輪を使いこなせるかもわからないけど、それだけは間違いないわ。あたしが保証してあげる。あんたたち、割れ鍋に綴じ蓋って感じで、ちょうどいいのよ」


 最後のセリフはいらなかったかな。でも、カタリナもそう思ってくれているんだよね。うん。ぼくたちならきっと出来る。そう信じよう。


「ユーリとアクアは、今でも最高だけど、これ以上があったらもっといい。ユーリ、頑張ろう」


「そうだね。一緒に頑張ろう。アクア、大好きだよ」


「アクアもユーリが大好き! ずっと一緒に居よう」


 それからもしばらく話していると、少し大声での話が聞こえた。声の感じからして、ステラ先生もいるみたいだ。


「ステラ、どうして学園をやめるんだ! まだ教師になって、そう経ってもいないのに!」


「あなたには関係のないことです。強いて言うなら、もっと大切な目的のためでしょうか」


「それは、あの落ちこぼれと関係があるのか!? ステラが面倒見たところで、結局優勝もできなかったじゃないか!」


「だとしたら、何だというんです。それに、あの子の真価はそこではありませんよ。それが分からないと言うなら、あなたもその程度なのでしょう」


「僕は納得していないぞ! ステラ、考え直すんだ!」


「あなたの納得など必要ありません。これ以上は時間の無駄ですね。失礼します」


 そう言ってステラ先生は去っていく。相手の先生にはずっと冷たい顔をしていたが、こちらに気づいたようで、少しだけ笑顔を向けてくれた。それから、ステラ先生と口論をしていた先生がこちらにやってきた。


「お前……どんな手を使ってステラを誑し込んだんだ。どうせろくでもない手段だろう。ステラの事を縛り付けようとするんじゃないぞ! 分かったな!」


 そう言って先生は不機嫌さを隠そうともしないまま去っていった。

 あの人、本人を説得するより、こちらを遠ざけようとするあたり、ろくな人じゃないな。

 でも、変なことをされないように、気を付けておこう。


「あの先生、ステラ先生に気があるのがまる分かりだったのよね。でも、ステラ先生にその気はないのは明らかなんだから、見苦しい男よね。

 はあ。つまらないことで時間を無駄にしちゃったわ。さっさと行きましょうか、ユーリ」


「そうだね。今度は、ぼくが後ろに下がった場合の練習をしようか」


 それから、ぼくたちはいつも通りに過ごしていた。

 学園生活を過ごす中で、モンスターの異常発生が一度会ったが、ぼくと特に話したこともない人が何人か犠牲になったくらいだった。

 そういえば、ステラ先生に気のある様子だった先生も、その犠牲者か。まあ、どうでもいいか。

 でも、モンスターが妙な形で発生することには、ちゃんと気を付けておかないと。アクアやカタリナ、ステラ先生が犠牲になるなんて事、絶対に避けなくてはいけない。


 それからしばらくして、ぼくたちはカーレルの街で、冒険者として活動することになった。

 ステラ先生のことは、ステラさんと呼ぶことになり、ぼくたちはステラさんと同居していた。ステラさんは、とてもぼくたちの冒険者活動を支えてくれていて、ぼくたちは本当にステラさんに感謝していた。


「ユーリ君も、冒険者としての活動に慣れてきましたね。アクア水の使い方も、随分うまくなっている様子です。指輪の調子はどうですか?」


「何度か、これまでより指輪と繋がるような感覚がありました。ですが、思考を送りあうところまでは、たどり着けていません。これ以上となると、何が必要なのか……」


「そういう感覚があるという話は聞いたことがあります。となると、後はきっかけでしょうか。何でも、普通に過ごしているだけでは得られない経験が必要となる、というあいまいな情報しかなくて。ユーリ君たちに無理はさせられませんから、運が回ってくることを待ちましょう」


 ステラさんの言っていた運はすぐに回ってきた。

 強大な人型モンスターと戦う中で追い詰められて、アクアが危ないと思った瞬間に、ぼくとアクアがつながるような感覚があった。

 それから、アクアと声を出さずに思考を送りあうことが出来て、耳が良いからぼくたちの作戦を事前に聞いていたモンスターへの対策が取れた。

 そのモンスターはそれからすぐに倒すことが出来た。指示を全部聞いて後出ししてくることが厄介だったので、それが無くなればすぐだった。


 それから、ぼくたちの家に帰ると、すぐにステラさんが出迎えてくれた。ステラさんはとても嬉しそうな様子だ。


「ユーリ君、ついにやったんですね。ここに居ても伝わってきました。意思を送りあう指輪という意味が良くわかりました。ユーリ君、あなたのおかげです。本当にありがとうございます」


「これまでステラさんが支えてくださったおかげです。それに、アクアとカタリナも。ステラさん、ぼくはあなたの生徒として、しっかりやれましたか?」


「もちろんです! ユーリ君、あなたを選んでよかった。もちろん、アクアちゃんも」


「アクアとユーリは最高なんだから、当然。でも、ステラ。ステラのおかげでユーリともっと仲良くなれた。ありがとう」


「なによ、あたしをのけ者にするな。でも、いいわ。ステラさんがこの瞬間を待ち望んでいたことは、あたしだってよく分かってるわ」


「カタリナさん、すみません。ですが、今日だけは許してください。ユーリ君、後で話があります。私の部屋に来てください」


 それからしばらくみんなで話した後、ステラさんの部屋に行く。そこではステラさんが待っていた。


「ユーリ君。本当に、あなたを選んでよかった。これからも、あなたと、アクアちゃんの事を、誰よりも傍で見ていたい。ずっと、私と一緒に居てください」


「もちろんです。ステラさんには本当に感謝していますから、こちらも同じ気持ちです。みんなとずっと一緒に居たい。これからも、よろしくお願いします」


 そう言うと、ステラさんは少し呆れたような顔になって、すぐに微笑む。そのステラさんは本当にきれいだと思えた。


「わかっていませんね……こういうことですよ、ユーリ君」


 そのままステラさんにキスをされた。突然のことにびっくりしたぼくだが、ぼくはステラさんの事が大好きになっているのだと、その時気づいた。


「ステラさん。ぼくも、ステラさんの事が大好きです。ステラさん、これからよろしくお願いします」


 ぼくはそれからしばらくたって、ステラさんと結婚することになった。

 それなのに、何故かカタリナも一緒に住むことになっていた。それはステラさんが勧めてきて、アクアもカタリナも賛成していたから断り切れなかった。ステラさんが言うには、


「あなたたちは、3人一緒に居てこそですからね。離れ離れにするわけにはいきません」


 とのことだった。結局それからもこれまでのように、みんなで生活することになった。

 でも、ステラさんとぼくの距離は以前よりとても近かった。

 それから、冒険者としての活動は縮小した。金銭的には全く困っていなかったので、ステラさんとの生活を優先するためにそうした。

 アクアは賛成してくれたし、カタリナも渋々という様子だったが受け入れてくれた。ステラさんと過ごす毎日は本当に素晴らしくて、ステラさんとの間に子供もできた。カタリナやアクアも、ぼくたちの子供をよくかわいがってくれた。

 本当に、ステラさんと出会えて、ステラさんに貰った指輪を使いこなせてよかった。ぼくはずっと幸せだった。





 アクアにとって、初めのステラに対する認識は、ユーリが尊敬している先生くらいのものだった。

 だが、ユーリとアクアの仲がいいと言われたり、ユーリとアクアに渡された指輪が本当にいいものだったり、ユーリを含めた自分たちをよく支えてくれていることから、アクアは徐々にステラに絆されていった。

 ユーリを傷つけたものをひそかに始末しながら、ステラやカタリナを傷つけようとするものも、少しづつ排除していった。

 たとえば、ステラに言い寄っていた教師。ステラが彼を迷惑に思っていることは明らかだったので、ユーリに暴言を吐いていたこともあり、大量発生したモンスターを操り排除した。その時はユーリの事が主であったが、アクアはだんだんステラのためだけにも動くようになっていった。


 そして、ユーリと冒険者として過ごす中で、ユーリとともに指輪を使いこなす日が来た。指輪を使いこなす条件は、おそらく、お互いがお互いの事を信じぬき、それに加えて何かのイベントで感情が高まることなのだろう。

 なぜなら、ユーリから伝わってくる感情には、アクアに対する絶対の信頼で埋まっていたから。その感情を味わう中で、アクアはステラに本当に感謝した。

 だから、アクアはユーリとステラが結婚することを、素直に祝福できた。

 ステラとユーリが結婚することになろうと、ユーリにとってアクアが大切な存在であることは揺るがない。アクアはそう確信していたし、ステラもそれを喜んでくれるはずだと考えていた。ユーリやステラとずっと一緒に居ることは、アクアにとっても素晴らしい未来だとアクアは考えていた。


 ステラはユーリと結婚することになったが、カタリナも一緒に住むことになった。アクアは当然一緒に住むものだと、誰もが考えていた。そんな中、こんな一幕があった。


「ステラさん、ユーリの事、絶対に幸せにしてくださいよね。ステラさんだから、ユーリを任せてもいいって思えたんですから、もしうまくいかないようなら、あたしがユーリをもらいますからね」


「ふふっ。カタリナさんは、本当にユーリ君の事が大切なんですね。でも、きっと大丈夫です。カタリナさん、ユーリ君と、アクアちゃんと、カタリナさんと、私とで、一緒に過ごしましょう。やはり、3人いてこそのユーリ君だと思いますからね」


「はあ……本当にかないませんね、ステラさんには。あたしなら、きっとほかの女の人なんて傍においておけない。アクアならともかく。ユーリの事、信じているんですね」


「そうかもしれませんし、そうじゃないかもしれません。ユーリ君とアクアちゃんをそばで見ていられるなら、それが一番大切なんです。カタリナさんがその中にいることで、ユーリ君とアクアちゃんの関係が良くなるのなら、それでいいんです」


 そのステラとカタリナのやり取りを聞いていたアクアは、ステラの事が本当に信じられると思えるようになった。ステラなら、ユーリだけでなく、自分もきっと幸せにしてくれる。そう考えたアクアは、ステラとユーリのこれからを楽しみにしていた。


 それから。旦那がいると知りながらステラを口説こうとする者をひそかに排除したり、ユーリにつまらない嫉妬をしているものをモンスターに襲わせたりしながら、ユーリの結婚生活を見守っていた。

 ユーリもステラも、これまでよりもアクアの事を大切にしてくれていた。アクアは本当に幸せで、ずっとこんな時間が続けばいいのにと考えていた。


 ユーリとステラの子供が出来て、アクアはユーリやステラほどではないが、その子供も大切な存在になっていた。カタリナとともに、ユーリたちの子供を見守っていた。カタリナはユーリたちの子供に囲まれて楽しそうにしていた。

 最初に思い描いていた未来では、ユーリとカタリナとだけ一緒に居る予定だった。予定していた未来とは違うが、これでいい。ユーリと、ステラと、カタリナと、ユーリたちの子供。それらの人に囲まれながら、アクアは幸せを満喫していた。

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