第32話 不完全燃焼
私は2人に着いて行ってみているが、見事に人気のない路地裏に入っている。
「どこまで行くのでしょうか?」
「もうすぐ着くからちょっと待ってねぇ」
「――はいここだよ、おーい来たぞー!」
「おっ、すげぇかわいいじゃねぇか」
「へぇー、楽しめそうだな」
建物に囲まれた少し開けた場所に出た。……って2人増えた。大体想像はつくが聞いてみようか。
「あの、ところでここで遊ぶって何をするんでしょうか?」
「あー、分かんないか。あんたLv21超えてるだろ?
だから俺らがあんたで遊ぶってことだ」
「今だから教えてやるがな、俺らはあんたみたいな女を連れ込んで痛めつけて殺してんだわ。だから、ノコノコ着いていった自分を恨めよ? な」
「このゲームはLv21超えたらPKは自由だからな、都合がいいってことだ」
このゲームは都合がいいか、確かに同感だ。別にこいつらが何をしてるかは興味無いけど、こいつらを殺すってことだけは決めた。
「なるほど、そういうことだったんですか」
「あぁ、だから精々弄ばれ…………」
「奇遇ですね。私も同じことを思ってました」
「「「!?」」」
こいつらのLvは高くて22だった。それならどうとでも出来るだろう。
眼帯を外して《恐怖の瞳》の強さをひとまず中にする。
「は…………」「なっ…………!?」
それじゃあ始めようか、《狂風》。
「ぐぁっ!」「があっ!」
「がはっ…………」
まずは3人の足を切り落とて動きを止め、1人は首を切って殺す。4人の相手は少し面倒だし、軽い脅しにはなるんじゃないかな?
「私はですね、いつも人を痛めつけたり、殺したりしたらどうなるか、そんなことを考えていたんですよ」
――ザシュッ!
1人の片腕を落とす。
「そして、それに対してどんな反応をしてくれるのか、ずっと興味を持ってたんです」
――ガシュッ!
別の1人の目を抉りとる。
「そんな中このゲームに出会ったんです。ここなら、いくら痛めつけても、いくら嬲っても、いくら殺しても咎められませんから」
――ザッ……!
またもう1人の口にに剣を刺し込み、横に切り開く。
「私はこのゲームを始めた時から、隙を見ては人を殺してたんですよ。私の興味や欲を満たすためにも」
「クソア……」
――ザシュッ!
片腕を落とした人が何か言ってきたので、とりあえずもう片腕も切り落とす。
「がぁっ!」
「用事があったのであそこに通りがかったんですが、私丁度暇してたんですよ」
「こんの異常者が……」
――ガンッ!!
目を抉った人も何か言い出したので、この人は下腹部に剣を突き刺す。
「時間が余ってたのでどうしようかと思ってたんですが、お2人に話しかけて頂いたんですよ」
目を抉った人のもう片目を刺して潰す。ついでに耳でも切り落とそう。
「ぁぁ…………が……」
「そしたらこんなに都合のいい場所に連れてきて貰ったんですから。あなた方で遊ぶという選択肢しかありませんでしたよ」
つぷっ…………グシャッ……
目と耳を落とした人の口に剣を刺し込んで殺す。この殺り方中々いいなぁ……
「何て無様なんでしょうねぇ?自分が優位に立てていると思っていきがっていたら、逆にこんなに弄ばれているなんて」
「どの口がそれを言いやがる……」
「テメェが……」
――ブシャッ!!
口だけ割いておいた人の目に剣を刺して脳を潰して殺す。
「は? 知りませんよ。何でしたか、『ノコノコ着いて行った自分を恨め』でしたか? 逆に言ってあげましょうか、私をホイホイ連れて来た自分達を恨んだらどうでしょう?」
「は…………」
「一応警告しておきましょうか。もし今後、あなた達が私に気を回させようものなら……次は覚悟しておいて下さいね?」
「こんの化け物が……」
「分かりましたかね? 分かったら一度死んでおいて下さい」
――ザシュン!
4人目の首を切り落として一息つく。
「ふぅ……」
まぁ何と言うか……不完全燃焼だ。殺すの自体は楽しかったけど、反応は対して面白くはなかった。そんなに怯えもしてなかったし。
あれで怖がるくらい気の弱い人の方が、反応を見てても楽しいし殺りがいもある。病院の時のあの子みたいな。
――まぁ、戻るかな。
私は駅の構内まで戻り、誰にも見られないうちにログアウトした。
現実でのチャットにて……
『月華さん、明日会いに来れそう?』
『問題ないですよ、今日は東京駅でログアウトしましたし』
『時間はどうしようか、リアルの昼過ぎくらいでいい?』
『はい、新幹線に乗る時間も考えるとそのくらいがいいですね』
『場所はどうしよう、北口の駅構内辺りにする?』
『そうですね、南よりは北の方がいいでしょう。秋川さん見た目はどんな感じになってますか?』
『えっとね、髪色は桃色で目が茶色、服は白と青のセーラー服で、高校の制服に似てる感じ! 月華さんは?』
『髪は銀で目は赤ですね。服は黒色で、詳しくは会う時に……』
『? そう、分かったよ。あと、向こうの私の名前は「コスモス」ね!』
『私は「ライブラ」です。では、明日お願いしますね』
『うん、また明日!』
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