第29話 上位存在との対話
「ここは……」
私がいたのは、真っ黒な空間に緑のオーロラが空に漂っている場所だった。
ここあれだよね。キャラクターメイクの時に1回だけ来た所。でもなんでここに?
「いらっしゃい、ライブラ」
この声は……《チュートリアル》? あぁなるほど、Lv20から突破出来るようになって《チュートリアル》が無くなるから、そのためのイベントって感じかな?
ていうか姿は見せないんだね。
「前半は合ってますが、後半はちょっと違いますね」
え、そうなの?
「ここに人を呼ぶなんてこと、普通はしませんよ。一先ず、あなたをここに呼んだ経緯を話しましょう。まず、私はあなた達を見守る者であり、《チュートリアル》を管理する者です。私は《チュートリアル》というシステムを用いて、幾千万のプレイヤーのことを見守っていたのです。その中で、特異な行動を取り、特異なアイテムを入手し、特異なスキルを獲得している者を見つけました。それが貴女、ライブラだったのです。それで、私は途中から貴女を注視していまして、今回1度お呼びした訳です」
《チュートリアル》に途中から感情が見えたのはそういうことだったの? 特異な行動っていうのは……間違い無くあれだよね、殺戮に関してだよね。
「それで、私にお咎めか何かあるんですか?」
「いいえ? この世界の原則の1つは自由ですから、あなたがそういうことをするのも自由ですよ。成長前の者が巻き込まれないように《チュートリアル》で守っていますし、問題ないでしょう」
そう、ならいいけど。じゃあ何で私はここに?
「少しお聞きしたいことがありまして」
「私の心くらい読めるでしょう、向こうに居る時にも。ならそれで確認すればいい話じゃないんですか?」
「いえ、あなたの口から直接聞こうと思いまして。ライブラ、あなたはこの世界で何をしたいですか?そして、それはどういう理由ですか?」
「人を殺して嬲って怯えさせたいですね。理由に関しては、それらのことをするのに私が興味を持ったからです」
「なるほど、概ね想像通りですね。ライブラ、あなたの存在はこの世界に1つの嵐を巻き起こすこととなるでしょう。そして、私を生み出した者達もそれを望んでいます」
私の望み通りでもあるし、それは問題ないね。生み出した者達っていうのは……運営?
「そして、あなたがあなたの望むことが出来るようにあることも望んでいます」
「へぇ、応援してくれるんですか?」
「えぇ。ライブラ、貴女のこれからの行く先に更なる幸あらんことを願っていますよ…………」
拠点に戻って来た。怪我とかは無し、装備の耐久力の損傷も無しと。
――Lv.21に上がりました――
――スキル《二刀流》を獲得しました――
――スキル《心の目》を獲得しました――
――条件を満たしたことにより、スキル《チュートリアル》が消去されました――
20から21にはエスカレーター式に上がるのね。道理でLv19とLv21の人は見たのにLv20の人を見なかった訳だ。
それにしても《二刀流》ねぇ、今既に双剣で戦えてるんだけど。効果は……?
□□□□□
《二刀流》
MP:0 CT:0秒
効果:2つのスキルを同時に行使することが出来るようになる。
□□□□□
スキルを同時に行使?今までも普通にスキル複数使ってきたけど。同時って完全に同じ瞬間に使い始められるってこと?
試しに……《密殺術》《閃撃》!
――シュッ!
確かに同時に姿が消えるのと、攻撃速度が上がるのが同時に起きている。でも、CTのラグが無くなる程度で何か変わるかな? 使い道が思い付かない。
次はこっちだね、《心の目》。
□□□□□
《心の目》
MP:15 CT:40秒
効果:30秒間生命の位置の探知を出来るようになる。
□□□□□
あっ、もしかして不言の猿の時の影響? だとすると視界妨害、聴覚妨害、スキル封印、この3つの内視覚妨害の対策スキル?だとしたら渡りに船だ。
じゃあ、もう1回ステータスの確認をしよう。
□□□□□
ライブラ Lv.21
HP:1200/1200 MP:270/300
耐性
火:0 水:0 氷:0 雷:0 風:0 地:0 光:50 闇:0 物理:0
スキル
《鑑定》《インベントリ》
《狂風》《跳躍・強》《治癒・弱》《静音・強》《首斬り》《閃撃》《見切り》《命刈り》《狂化》《恐怖の瞳》《密殺術》《二刀流》《心の目》
□□□□□
問題ないね、ちゃんとLv21になってる。光の耐性が上がってるのはこのドレスの効果だね。
「ふふっ、うふふふ…………」
Lv21になったということは、システムによる行動の制限が無くなるということ。つまり、出来ることがかなり広がったということだ。
――さぁ、これから何をしようか。ますます楽しみになってきた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
これにて序章が終了となります。ここまでお読み頂きありがとうございました。この後の話もよろしくお願い致します!!
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