第14話 尚との再会

「ひ、久しぶりだな、花宮。」




何でこんなに普通に話しかけられるのか不思議でたまらなかった。




目の前にいるのは私を傷つけた元同僚の柴田尚。




私は怒りを堪えた。




「お久しぶりです。柴田さん。」




「まあ、そんな固くならないでくださいよ。花宮さん。」




翔は、私と柴田尚の仲を取り持とうとする。




それが余計に私を心地悪くした。




少しの沈黙が続いたあと、




「すまなかった。」




そこにいた客が全員振り返るくらい大きな声で柴田尚が言った。




「ちょっと、やめてください。」




私は咄嗟に柴田尚に頭を上げるように言う。




余計に居心地が悪い。




「すみません…帰ります…」




私は限界を感じて、帰ろうとした。




翔は私を止めようとしたけど、2人とも追っては来なかった。




はぁ。


私は何がしたかったのだろう。


会ったら何か変わるかな、なんて考えていた自分に腹が立つ。




そして、居心地の悪さに耐えられなくて逃げてしまったことを反省する。




「悪いことしちゃったなぁ」




傷つけてきた相手にさえ、そう思ってしまう。




今日は帰って寝よう。


ポテチを無限に食べて、コーラ飲みまくろう!




どこか虚しさを抱えて、まだ昼間の街を小走りで歩く。

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