第三章 全国異能力学園対抗新人大会

第27話 いい湯だな+α

《異世界島商業エリア》


「はぁ〜〜、さいっこお〜〜。」

 

 ここは異世界島商業エリアの療養施設である。先の戦いで活躍したヒサシ達は、生徒会副会長にお礼として招待されていた。


「異世界島はホントになんでもあるわねぇ。私ここに住もうかなぁ。」


「ここは副会長さんの御家族が経営されているみたいですよ。」

 

 【東堂レイカ】は露天風呂に浸かりながら夜空を見上げており、その横で【進藤テレスティーナ】が腰掛けている。


「で、でかい、、異能力は発育まで強化するのか、、。それに比べて、、、」


「ひまわりのお姉ちゃんもなかなかいい体してたし、そのうち、、なっ!」

 

 2人の発育の良さと自分を比べて【轟ひまわり】が絶望しているのを【羽賀マオ】は微妙にズレた慰め方をしていた。


「マオだって、おっぱい大きいし、足めちゃくちゃ長いし、何より尻が1番エロいじゃない!!」


「どういうキレ方よ。」


「大体1番規格外なのはレイカの胸でしょ。お願いします、一回触らせて下さい。」


「こんなの肩凝るし、変な目で見られるしで良いことないわよ。」


「あのぉ、レイカさん私も触らせていただきたいです。」


「テレス、あんたもなの!」


 マオとテレスは両側からレイカの胸を触る。2人が感嘆の声を上げながら揉むも、レイカは動じていない。


「レイカちゃんの胸、最初は揉むの楽しかったけど、本人が動じないから飽きてきちゃった。」


「勝手に触っといて、酷い言われ方ね。」


「だって揉まれ慣れている反応なんだもん。

だ・か・ら、私はテレスのを揉みまーーーす♡」


「きゃーーー!」


 その後4人はワーキャー騒ぎ、普通の女子高生トークをしながら、貸切の露天風呂を楽しんでいた。



「どうにかして、女湯を覗けないのか、、」


 【真田ダイハチ】は生まれて1番、頭をフル回転に働かせて考えていた。その様子を【天城ヒサシ】と【田中リュウジ】は冷めた目で見ているのだった。


「お前やっぱり馬鹿だろ。」


「何が馬鹿だ、リーゼント野郎!最重要事項だろうが!!」


「やめとけダイハチ。アルファ社の最新技術で異能力対策もされている。無理はよせ。」


 ダイハチは2人が止めているのも聞かずに覗き場所を探し続ける。しかしなかなか方法が見つからず、段々と手伝おうとしない2人に腹が立ってきているようだ。


「テメェら、それでも男か!この壁の向こうに普段一緒に戦っている仲間が一糸纏わぬ姿でいるんだぞ、見たいだろ!!」


「いや、俺地元に女いるから。」


「リュウジ、テメェとはここでお別れのようだな。」


 ダイハチが桶を持ちリュウジに襲いかかる。リュウジも近くにあった椅子で対抗している。


 2人が激しい戦いを繰り広げている中ヒサシは隣の【黒崎レイド】に話しかけた。


「ハハ、すげーなあの2人。そういえば黒崎、今回

も手伝ってくれてありがとな。意外と付き合い良いよな。」


「俺は誰よりも強くなりたいだけだ。不本意だがお前らといるのが1番効率がいいらしい。それに今日は東堂の話に興味があったしな。」


「なるほど、あの話か。」


ーーーーーーーーーーーーー

《療養施設:大部屋》


 8人は入浴と食事も終わった後、レイカの呼び掛けで男子部屋に集まっていた。


「さて、なんでここに集まってもらったかなんだけど、ここに来る前にも言った通り、5月の中旬から行われる『全国異能力学園対抗新人大会』についての話をしようと思うの。」


「なんでレイカがその話をするの?」


「実は、、今朝。」



《その日の早朝》


「初めまして東堂レイカ君。和合トモエだ。よろしく頼む。」


「は、はい。よろしくお願いします。」


 レイカは早朝生徒会室へ呼び出されていた。そこには生徒会会長【和合トモエ】と副会長【来栖川マナカ】がおり、3人で紅茶を飲んでいる。


「早速だが、今回の新人大会、君に監督をして欲しいと思っている。」

 

「監督? 去年の新人大会に監督なんていましたか?」


「新人大会はまだ2回目です。試行錯誤しながらより良い大会にすべく模索している段階ですので。」


「それに去年は私が1人で全て倒してしまってな、他の学園からルール変更の陳述が殺到してしまったんだ。」


 会長はそう言いながらも悪びれた様子は無く、凛としており、横のマナカは笑顔で紅茶を飲んでいる。


「細かいルールは設定中ですが、監督という立場は先生でも生徒でもどちらでも良いという形になっています。そこで今1番信頼できるチームの頭脳、東堂さんに白羽の矢が立ったという訳です。」


「なんかこの雰囲気を察するに断るという選択肢がないような、、、」


「頼んだよ、東堂監督。」



《療養施設》


「という訳で私が監督、そしてサポートにテレスという事になってるわ。」


「はぁ、監督って何すんだ?」


「とりあえず早急に始めるのはメンバー選考ね。定員は8人。ここにいる6人は確定として、後2人をどうするか?」


 それぞれから推薦や戦闘、実績など様々な意見が出るもなかなか纏まらないでいる。そんな中珍しくレイドが手を上げ発言した。


「1-AだけでなくB以下のクラスにもチャンスをあげられるような選考会の提案がある。」



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る