第ニ章 バットマン動乱編
第14話 勝利の祝い
《天城ヒサシ宅》
「なんなんだこれは、、」
【天城ヒサシ】の自宅には大世門に共に入った8人全員が揃い打ち上げを始めていた。
「すごい、そんな調理法があるんですね。」
「大人数に作る時はこういう風にした方が手っ取り早いのよ。地元で作ってあげてたから。」
キッチンでは【進藤テレスティーナ】と【東堂レイカ】がみんなに振る舞う為の鍋を作っている。
「これで普段は配信してるんだよぉ、マオちゃんも可愛いから絶対人気出るって♡」
「えっ、配信だなんて私。恥ずかしくて動けなくなるよ。」
【轟ひまわり】と【羽賀マオ】は動画配信サービスで配信者をやっているひまわりの動画を一緒に見ながら仲良く話していた。
「ダイハチ、テメェのやりたい事はお見通しだ。」
「ふん、リュウジ。じゃあこれで勝負だ!リーチ!!」
「、、、ロン。」
「なんだとおおおおお。レイドぉぉ。」
【田中リュウジ】、【真田ダイハチ】、【黒崎レイド】とヒサシは料理が出来るまでの間、麻雀を行っている。どうやら最下位の奴が買い出しに行くらしい。
「レイド、お前がまさか来るとは思わなかったぞ。」
「行けって言われたから。」
リュウジが打ち上げに誘っている際に後ろから1-Bにいる同郷の2人に行ってこいと言われていたのを思い出す。
「いい友達がいるんだな。」ぱちっ
「ロン、大三元。」
「ヒサシがとんだーー!買い出し行ってこーい。」
部屋は最高に盛り上がっているそんな中、しぶしぶヒサシは買い出しの為外へ出た。現在時刻は20時前。あの一つ目大蛇との対決の後は大変であった。
クリスタルフラワーの輝きがなくなった後、それぞれの力は元に戻っていた。あの輝きが限界以上の力を引き出してくれていたのだろう。
大世門から戻り報告を行うと南先生はクリスタルフラワーを持って研究室へと篭ってしまう。横にいた小久保先生は8人の無事と結束に安堵の表情を浮かべていた。
それからみんながオリエンテーションを継続している中、8人は色々な所を調べられたが変化はなく、記録にも残っていない為解散となった。
クリスタルフラワーの実験もあまり進ていないらしい。
「なんだかんだ死にかけたけど結果オーライかな。」
(友達たくさん増えたね、ヒサシー。)
フィアも元の姿に戻っている。天の文字の付く使い魔。祖父の天地の精:テンカイと同じである。あれがフィアの進化した姿なのか、本当の姿なのかは謎であった。
「はあーあ、腹減ったし、早く帰ろ。」
コンビニから言われた物を買ったヒサシは自宅へと帰る。その途中、フードを被った小学生くらいの子供とぶつかってしまった。
「おっ、すまん、大丈夫か。」
「、、、。」
ヒサシは声をかけるも子供はすぐに走り去ってしまう。
(ヒサシ、、)
「どうした?」
(端末盗られてるよ。)
「なっ!?」
フィアに言われて、ポケットにあったはずの生徒手帳型端末がない事に気付く。
「あのガキィ。ライガ!」
(はっ。)
《工事現場》
「げっ、天王山学園の端末じゃん。リーダーにあそこの学園は狙うなって言われてるのに、、また怒られるよ。」
鉄骨で枠だけ組まれた建物の上に先程の子供が座っている。どうやらヒサシから盗んだ物の確認を行っているようだ。
「それなら返してもらおうか」
「うわっ!!!」
油断していた横でヒサシが急に話しかけた為、子供は鉄骨から落ちそうになる。
「な、なんでここが?」
「なんでもいいだろ、早く返せよ。それとも警察行くか?」
「くそっ。」
子供は盗んだ端末を投げ捨てる。ヒサシはなんとかキャッチしたが、子供は投げた反対方向へ、何も足場のない空を走って逃げて行ってしまった。
(すごーい、空を走ってるー。)
「異能力者かよ、そんな奴がなんで盗みなんて。」
走り去る子供の胸から大きなコウモリのペンダントが下げられているのが見えた。警察に言うか悩んでいると、端末に『早く帰れ』の文字が見える。
「やべっ、急いで帰ろう、フーバ。」
ヒサシはフーバの翼を借りて自宅へ帰るのであった。
《天城ヒサシ宅》
ヒサシは買い出しから帰ると遅いとみんなから文句を言われてしまった。もう鍋は完成していたようでヒサシの帰りを待つだけだったようだ。
「はい、これが福岡名物水炊きよ。」
「私はキムチ鍋を作りました。」
レイカとテレスの自慢の鍋が出てきてみんなで乾杯しながら最高の打ち上げとなった。
全て食べ終わり、洗い物をテレスとひまわりが行いながら買い出しの時の出来事をみんなに話す。
「なるほど、だから遅かったのか。」
「コウモリのペンダントって事は【バットマン】か、異世界島にもいるのね。」
「レイカ、、バットマンって何?」
マオが首をかしげて、レイカに質問する。周りのみんなも何ソレの表情をしていた。
「あんた達ホントに知らないの?しょうがないわね私が次話に説明してあげる。見逃さないのよ!!」
レイカは誰もいない方向に指をさし決めポーズをする。
「誰に言ってんだ、それ。」
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