Frank Sinatra-That’s life 和訳案

森エルダット

第1話

人生なんてこんなものさ

人は言う

四月に絶好調だって

五月になればすぐに沈んじまうって

だけど、俺はそんな風なのはまっぴらなんだ

六月に入れば、俺はまた調子を取り戻す

これが人生さ、って俺はみんなに言ってやったよ

なんかバカっぽく聞こえるかもだけどさ

誰かを足蹴にして、笑いながら夢を踏みにじる奴らもいるよ

だけど、だけど俺は、そんな奴らには負けやしないさ

だって、この素晴らしい世界は、ずっと、回り続けてきたんだから(地球の自転と、この世界が続いてきたことのダブルミーニング)

俺はピエロで、操り人形で、海賊で、詩人で、末端の歩兵でもあったし、ある時には王様にもなった(バカにされることもあるし、何かの言いなりになることもあるし、誰かから何かを奪ってしまうこともあれば、感傷的になってつらつら言葉を並べ立てることもある。ある時は弱い立場にいても、自分より下の人たちにはでかい態度をとってしまうこともある。)

ずっと気分が沈んでて、ええいままよと放り投げることばかりで、失格だって言われまくって、それで俺はひとつ、わかったことがあるんだ

倒されて床に転がってる自分に気づくたび、立ち上がって、歩き始めるんだ

それが人生だろ。なあ、俺はそう思うよ。これが嘘っぱちだなんて思えない。

投げ出そうとしたことだってあるさ

でも俺の心はそれを許してはくれないんだ

ただ、もし一回やってみようかなんて思うような価値も感じなくなったら、まあ、でっかい鳥にでも飛び乗って、こんな世界から飛び立ってやろうかな

俺はピエロで、貧乏人で、海賊で、詩人で、末端の歩兵でもあったし、ある時には王様にもなった

ずっと気分が沈んでて、ええいままよと放り投げることばかりで、失格だって言われまくって、それで俺はひとつ、わかったことがあるんだ

倒されて床に転がってる自分に気づくたび、立ち上がって、歩き始めるんだ

それが、それが人生だろ。なあ、俺は本当にそう思うんだ。誰がそれを嘘っぱちだなんて言えるか。

もうやめちまえって思ったことも何度だってあるさ

でも、俺の心はそんなこと望んじゃいないんだ

ただ、ただ、もしさ、七月に心が揺さぶられるような何かが、まだ来ないんだとしたら、俺はそんな自分をうまく丸め込んで、それで、死のうと思う




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