第29話 大会出場に向けて
西木くんと俺が交代することになり、まずは今までのポジションや作戦など全体を見直すことになった。
優勝を目指して、メンバーで集まって何度も話し合った。地方に住んでいる人達とオンラインで通話したり、事務所で会える人達とは実際に顔を合わせて。次の大会は控えのメンバーになった西木くんも一緒に協力してくれて、皆で意見を出し合った。
スナイパーで遠距離を得意とする萩山くんは、そのまま同じポジションで。そして攻め意識の高い金戸くんと、彼のサポートを得意とする組谷くんのコンビも、変更は無し。彼らは今までと同じポジションで、豊富な経験と磨いた腕前を試合で発揮してもらう。
チームのリーダーを務めていたので、試合の内容をよく見渡せる中央のポジションだった春原くんが、前線へ行くことに決まった。チームの攻め力に直結する、大事な位置に彼が配置されることに。
そして俺は、春原くんの代わりにリーダーとなって中央からメンバーにオーダーを出す。話し合った結果、俺がチームの司令塔になって、戦闘のタイミングなどを皆に指示する役目を務めることに決まった。
「よし! ようやく、前に行けるんだね。これから、前線は任せてよ!」
「春原くんはリーダーじゃなくて、いいのかい?」
「リーダーじゃなくても、全然いいよ。結構、大変だったし」
どうやら、リーダーを任されていたことにプレッシャーを感じていたようだ。そのプレッシャーから解放されて、春原くんはとても嬉しそうにしている。
プレッシャーに負けないで、しっかりと結果を出していた春原くんは本当に凄いと思う。司令塔の適性もあったのだろう。だけど、攻めに集中させて前線で暴れさせる戦い方も得意そうだった。試合での活躍が期待できるプレイヤーだ。
他のメンバーも納得して、俺のオーダーに従うと言ってくれた。俺は戦闘の指示を出して、試合の流れを作ってチームを勝ちを導く。
ポジションが決まって、皆で練習を繰り返す。集まれるメンバーで集まって、腕を磨いていった。連携力をより高めて、作戦を練って、練習試合を繰り返して。
そして、ついに大会本番が迫ってきていた。今年もポーランドで開催させる大会。去年は準優勝だったが、今度は優勝できるように練習を積み重ねた。調子も調整してきたので、絶好調で試合に挑める。これは勝てそうだという、自信があった。
この大会で優勝するために頑張ってきた俺達は全員、かなりの気合が入っている。絶対に勝ちたいと思っているのだ。だから、全力を出して勝ちに行く。
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