セカンドキャリアはプロゲーマー

キョウキョウ

第1話 テレビゲームとプロ野球選手としての人生

 生まれた時からテレビゲームが大好きだった。


 それは今でも変わらず、毎日のようにゲームをプレイし続けている。平日だど2,3時間は必ずプレイして、休日には12時間以上も遊ぶ時があるぐらい夢中だ。


 ゲーム全般が好きで、今まで色々なジャンルのゲームをプレイしてきた。これまでプレイしてきた時間は、他の誰にも負けないだろう。


 最近は主に、FPSをプレイしている。キャラクター本人の視点で操作して、武器や道具を駆使して戦うゲーム。


 腕前にも自信があり、様々なゲームのランキングで上位になっている。とある人気ゲームのランク戦で、多くのプレイヤーと戦い1位にランクインしたこともあった。それぐらいの腕前である。




 そんな俺の仕事は、プロ野球選手である。


 小さな頃から他の人に比べて身体能力が高くて、体がとても丈夫だった。小学生の頃に友人に誘われて始めたのがキッカケで、それから小中高と野球を続けてきた。


 高校で甲子園にも出場して、優勝は出来なかったけれども試合で活躍。その活躍がスカウトの目に留まって、ドラフトで指名してもらうことに。


 絶対にプロ野球選手になる! という熱い気持ちは無かったけれど、運良くプロになれた。本当に運が良かった。


 選手時代は色々と波乱万丈で、いくつかの球団を渡り歩くことになった。おそらく他の選手に比べて面倒なキャリアを歩んできただろう。大変だったけれど、最終的にはプロになって良かったと思える生き方が出来た。ファンが認める名選手になれたと思う。




 そして今年で32歳になった俺は、引退を考えていた。


 まだまだ体は動いて、球も打てるし守備も出来るだろう。試合に出ることは十分に可能だと思う。


 だけど、そろそろ後輩にポジションを譲るべきだと感じていた。その地位に居座り続けるのも良くない。チームには世代交代が必要だ。


 これまで十分に稼がせてもらって、資産もかなりある。今すぐに引退しても生きて行くのに困らないぐらい余裕がある。


 そしてなりより、ゲームで遊ぶ時間が欲しかった。


 最近はゲーム業界が盛り上がっていて、面白そうな新作ゲームが次々と発売されている。いくら時間があっても足りない。だからこそ、ゲームをプレイする時間が必要だった。


 こんな考えを選手仲間やファン達が知ったら怒るかもしれないな。だけど、自分の人生を楽しむためには絶対に必要なことだと、俺は考えていた。だから、他の誰かの意見なんて考慮しない。俺にとって、ゲームとはそれだけ大事なことだったから。


 プロ野球選手を引退し、これからはゲームを楽しみながら静かに暮らしていこう。そんな、早すぎる隠居生活を計画していた時。とある人物から連絡があった。


 連絡してきた人物と会って話をする。その出会いが、俺の人生を大きく変えることになった。

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