第15話
冒険者ギルドに着くと想像通りの建物でワクワクドキドキだった。
(あ あの扉 西部劇でよく見るよ 酒場があんな感じ。)
『ああ いいねぇ。ばあちゃんも胸がドキドキだよ。』
両開きのドアを開け 中を見渡して見ると 掲示板に依頼書が張り出しており
冒険者達が色々と話して選んでいるようだ。
広場にはテーブルが結構な数並んでおり ウェートレスがご飯や酒などを運んでいた。
朝から飲んでる冒険者もいるようで お尻を触られたお姉さんがビンタをしていた。
(あのウェートレスさん 強くない?!)
『冒険者相手だから 舐められないように強い子雇うのかもねぇ』
「さて アサミ 登録なのですけど あなたの職業は何にする予定ですの?」
「鑑定とテイムがあるので テイマーしながら鑑定依頼を受けるとかですかね?
転移はめんどくさそうなので大っぴらには使いません。」
「鑑定とテイムまで持ってるんですの?!あなたはほんとに・・・ 多才ですわね。」
ソフィーはちょっと呆れたようだった。
「ソフィーの職業はなんなの?まぁ言わなくてもわかるけど。」
「ふふ 私は見ての通り 魔法使いですわっ!水と風が得意なんですの!」
「やっぱりか 見た目で分かってたけどね。」
「なら聞かなくてもよかったでしょうが!」
「あはは で 登録はカウンターかな?」
と カウンターを見るとジェシカが制服に着替えてこっちに手を振っていた。
「行ってくるね。」
「私はクエストボードを見て仕事を探しておきますわ そろそろダリアも追いつくでしょう。」
ソフィーと別れて ジェシカの所に向かう。
「では 改めまして 受付嬢のジェシカです。顔見知りという事で私が担当者になりました。
よろしくお願いしますね。じゃぁ簡単ですが 職業などをこの紙に記入してもらえますか?
登録内容にウソとか間違いがなければあとは冒険者試験をして冒険者登録完了になります。」
「はいはい。えーっと アサミ 年齢15 職業はテイマーっと スキルは鑑定AとテイムAっと
魔法とかは内緒でもいい?さっきの様子だと巻き込まれそうだから・・」
「ええ あれは隠しておいた方がいいでしょう。まぁそこは内緒にしておきますのでアサミさんも
くれぐれも言わないように。ギルマスにも相談しときますね。」
「はい。ありがとう。」
と 記入した用紙をジェシカに渡す。
「では 最後に この玉を触って見てもらえますか?職業適性が色でわかります。赤が魔法系 黄色が戦士系 緑がスカウト 偵察系 青が回復 支援などのヒーラー ですかね」
「ほいほいっと」
アサミが玉に触ると 全色が激しく変化して信号機のようになっていた。
『アサちゃん これ よく見るやつだよぉ この新人は絶対強くなる!とかの無双系のやつだよぉ』
(ばあちゃん 分かってるからっ!言わないで!絶対めんどくさいことになるよ!)
「えーっと こんなの初めてで・・・ ちょっとギルマス呼んできます。」
ジェシカが慌てて2階にあるだろうギルマスの部屋に向かっていった。
周りを見ると ざわざわと冒険者がこっちを見て騒がしくなっていた。
「おいおい 全色って 聞いたことないぞ。」
「まだ ガキじゃねぇか。 故障だろ?」
「あの子 可愛いわね。うちで勧誘しようかしら。」
「将来有望かぁ?」
「あの子は ボクのものさ。」
と なんか品定めされているようで居心地が悪くなる。
「お前ら そこまでにしとけ。仕事しろ仕事。」
と 階段から40代くらいのマッチョなひげ面のいかにもな冒険者が降りてくる。
「ああ 俺はジェイク 元Aランク冒険者でギルマスをしている。
なんかめんどくさい事になってるようだな。とりあえず この玉の反応は俺も初めてだ。
が 可能性として言えば お前は何にでも適正があるってことくらいか。」
「テイムと鑑定くらいしかないんですが?」
「わからん これから覚えれば覚えるだけ魔法やスキルが増えるのか それはお前次第だな。」
「じゃぁ 職業は何ってことになるんです?」
「テイマーってことでしばらく様子見だ。あと お前の戦闘力がどれくらいか俺にもわからんからな。これから冒険者試験を受けてもらう。テイマーならペットはどうした?」
「あ まだ捕まえてないです。後で捕まえに行こうと思ってたんですけど 先に冒険者登録したくて」
「そうか。ならこっちだ。」
と ギルマスに言われて奥の方に行く。
ついていった先には沢山のモンスターが飼育されていた。
「ここは引退したテイマー冒険者が次代のテイマーに契約してもらうために育てている。新人冒険者に安全に従魔に慣れて貰うための施設だ。ここにいる従魔は冒険者がお金を払って仲間にすることが出来る。お前が気に入ったらギルドから売ってもいいぞ。」
色々檻の中を見てみると 猫がいたり 犬がいたり 鳥がいたりと ペットショップみたいでワクワクする。 変わったとこだと小さい虎だったり 蛇とかもいた。
テイムスキルがは反応したのか アサミを見るとすごい勢いで 自分を連れてけとばかりに動物達ははしゃいでいた。
一番奥にいくと すごい威圧感がして何事かとアサミも構えた。
「奥・・・ 何がいるんです?」
「あー わからん。見たこと無いやつなんだ。何年もここに置いてるんだがなんのモンスターなのかすら分かってない。普通のモンスターは1年もすれば大体でかくなる。だがこいつは来た時から一切姿が変わっていない子供のままだ。希少だということで飼育しているがそろそろ国に決めてもらうべきかな。鑑定も効かないから種類もわからんよ。ただ どんなに高レベルのテイマーが接しても絶対に心を許さないらしい。」
アサミは好奇心が沸いたのか一番奥に足を向けて進んでいく。
その奥にいるモンスターが自分を待ってる様な気持ちがして。
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