第4話

ばぁちゃん  スプーンを注文し忘れる




ついでに夕飯用にオニギリとコーラと唐揚げを注文。インベントリに入れておく。




「アサちゃん こんなにおいしいプリンはじめてだよぉ。ばあちゃん感動して涙が・・・。」




(ばあちゃん・・・ ずっと現世の料理が恋しかったんだね・・。お供えにプリンおいとけばよかった)




「天界食堂だとみんな ハンバーガーとかかつ丼とかスパゲッティーばっか天使さんたべてたねぇ。


ばあちゃんも大体は作れるようになったよぉ。楽しみにしててなぁ。」




(現世の料理ばっかじゃん!天界ってなんか雲とか食ってるのかと思ってた)




「まぁ最近は天使さんも下界で色々食べてるからねぇ。下界の情報もよく入ってきてたよ。」




(そうなんだ。 あっ ばあちゃん 大変っ!もうそろそろ町に行かないと 宿とか準備あるでしょ。)




「そうだねぇ。町に行ってまずは冒険者ギルド登録しないとねぇ。」




(ばあちゃん 体代わってー。)




「はいよぉー。【憑依】解除」




アサミの頭から トキの透明な体が天に昇るようにひゅるひゅると出ていく。


まるで 成仏するようだ。




「ちょ ばぁちゃん!そのまま上にいかないで!戻ってこれなくなる!」




『ああ・・ なんか気持ちよかったねぇ。でも まだ死ねない!アサちゃんがひ孫を見せてくれるまではっ』




「もうばあちゃん死んでるじゃん。うん・・ でもずっと一緒だよ。」




『さぁ アサちゃん 町見えてるけど 【転移】使ってみたらどうだぃ?』




丘の上からは少し大きな壁が町全体を囲っているのが見えた。


その壁には門があり何人かの人が並んでいた。そこで町に入る手続きをするらしい。




「ああ 転移使えるんだったね。んじゃ あそこの門のとこに飛んでみる。ちょっとドキドキするねっ。」




【転移】発動 




















無事 町の前に飛んだっと思ったアサミの目は閉じていた。




「おい・・・・おい!!!!!」






「ふぇ?」






「どいてくれないか?」






アサミが転移した先はおっさん警備兵の頭の上だったらしく おっさんを下敷きにしてしまっていた。




「ふぁぁぁっ す スイマセンっ!」




「おい お前 どっから沸いた!?魔族か??」




「人間ですっ!転移魔法が失敗しちゃって すみませんんんん」




「転移魔法だと? この500年使える奴なんていないって聞いたぞ。ちょっと来い。中で話を聞かせてもらうぞ。」




『なんか やっちゃいましたぁ?っていうんだよアサちゃん。』


(ばあちゃん うっさい!)




「こっちだ!中入れ!」




警備室の中には4人掛けのテーブルとイスが備え付けてあった。




「ここには簡易な鑑定道具しかないからな お前がほんとに魔族じゃないか確かめさせてもらう。」




『カツ丼出るかねぇ?』




「ブッ」




「おい 何笑ってる!この玉に触って見ろ。犯罪履歴 名前 種族 年齢が表示される。問題なかったら終了だ。」




「へぇ。便利な道具だねぇ。ムシャムシャ。」


モグモグ言ってるのはあとで食べようとしてたコンビニオニギリのシーチキンマヨネーズだ。


『アサちゃん!尋問中にメシ食うとかばぁちゃんの教育が悪かったのかねぇ。悲しいよぉ。』


「おいっ 貴様っ!何を食ってる!どっから出した!ふざけてるのか!」




「ふぁっ ごめんなさい。お腹空いてて・・・インベントリからですけど食べます?まだあるんで」






「じゃ・・ じゃぁ・・ 1個だけ」


『ばぁちゃん知ってる! それ ワイロだよぉ。』


(ばぁちゃん うっさいよ!)




「これ どーやって開けるんだ?」


「そこの真ん中のビニールをぴーっと で左右引っ張ると開けれますよ。」




「びにぃる?わからんがこうか。 むっ これはうまい 肉となんか白いソースが口に合うな。これはなんだ?肉だろあと白いの。」




「マヨネーズとシーチキンです。」




「聞いたことがない。うまいな。お前は料理人なのか?」




「いえ 仕事探しに来ました。料理もできますけどね。」




「わかった。もし料理系の仕事をするなら教えてくれ。 俺はフリッツここザフトの町の警備隊をしている。」




そう話してる間にアサミは鑑定の道具を使った結果をフリッツに渡した。






「アサミ 15歳 人間 犯罪歴なし。よし OKだ。 悪かったな。でも 12歳くらいだと思ったが それに インベントリも希少なスキルだ お前何者なんだ?」


「なんかやっちゃいましたぁ?」


『アサちゃん やったね 言えたね』


「まぁいい・・ アサミ その・・ まださっきのあるか?」


「1個だけなら・・」


「5銅貨でどうだ?売ってほしい」




(100円が500円になった。うん 錬金術なりそう)




アサミはフリッツにオニギリを渡しようやっと町に入ったのだった。

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