守護霊ばあちゃんといく異世界生活

しま

第1話

アサちゃん ばあちゃんがずっと守ってあげるからね




それが ばあちゃんの最後の言葉だった。


いつも私の事ばかり心配してくれてありがとう。


ばあちゃんが死んで5年 父母も幼い頃に交通事故で死んで、ばあちゃんだけがたった一人の家族だった。




でも もう私 疲れちゃった。


何とか生きていこうと思ったけど、 私運がないみたい。


ばあちゃんが死んでから3年後私も重い病気になっちゃって寝たきり生活


なんとかばあちゃんの保険で病院に入院出来たけど もうダメみたい。




「ばあちゃんに会いたいなぁ。私の人生で一番幸せな時間だったなぁ。」




ピカァァァァァァ




「まぶしっ なに?!」


気が付けば真っ白な何もない空間が目の前に広がっていた。あ イスとテーブルあるわ。


『飯島麻美さんですね?』


声がした方に目を向けると ちょっと光った感じのお姉さんが笑ってこちらを見て話しかけていた


「えっと あなたは・・?私病院にいたはずなんですが・・」


『麻美さん あなたは残念ですが ご病気で先ほど。ここは死んだ人がどうなるか決める場所


 私は新人女神のミューと申します。』


「そっか 私もう終わったのかぁ。21って早かったなぁ。ミュー様私はこれから裁判とかですか?


 エンマ様とかいるんでしょう?」


『ん- ちょっと違いますねー。最近の地球は総人口がやばいことになってまして


 キャパシティーオーバーなんです。このまま死んだ人がそのまま地球に転生しつづけると、地球の寿命   がどんどん減ってあと1000年位で爆発します。』


「爆発・・・。じゃぁ私は?」


『麻美さん 異世界転生って知ってます?最近地球の方でブームらしいですけど 剣とか魔法とかモンスターとか倒すゲームのような世界 いっぱいあるんですよ。そういう世界何千 何万とあるんです


 今回私がここに来たのは麻美さんの担当世界の女神なので会いに来たんですよ。』


「ミュー様自らですか?偉い人なんですよね?すみません。でも 新人さんなんじゃ?」


『世界規定というものがありまして世界が出来て5000年未満の世界はみんな新人扱いです。


 あっでも私結構優秀なので新人ランク世界第5位なのです。サボってる神とかの世界はもう崩壊寸前なんですよねー。』


「ミュー様の世界は地球と比べてどうなのです?文化とか治安とか種族とか?」


『私の世界は地球だとヨーロッパ中期って感じですかね 剣と魔法があり貴族制とかあります


 治安はそこまで悪くないと思いますよ。でも悪い人はどこにでもいるので何とも言えませんね


 私が手出してやめなさいとかできないんで。種族はヒューマン ドワーフ 獣人 エルフといるのですが最後に魔族 これは元々はいなかった種族なのですが他の世界からの転移事故で何百年か前に私の世界にきてしまって居ついちゃいました。この方達は寿命が長いですが中々繁殖力が少なくあまり人数は少ないようですがとても強い種族ですので気を付けて下さい。』


「小説とかは病院でずっとスマホで読んでたので異世界物はだいたい知ってます。なんとかやっていけるかな。」


『麻美さん 最後の言葉 覚えていますか?』


「最後の言葉?」


『ええ 死ぬ間際の言葉です』


「おばあちゃんに会いたい え 会えるの?」


『地球の神から伝言を受けまして おばあちゃん アサちゃんがここに来るまで居させてほしいと泣かれたようで 今天界食堂でバイトをしています。』


「ばあちゃん・・・バイトって・・・」


『おばあちゃんは長く居すぎたためそのまま麻美さんとは一緒にはいられません』




ピカアアアアアア




『ああ 来たようですね。』




「ミュー様 お呼びですかぁ?」


と そこに現れたのは 麻美の祖母 トキ(享年62)だった


「ばあちゃん!!!!!」


「アサちゃん!!!!ここにいるってことは・・・あああああああああああ なんてことだい。


 こんなに若いのに・・・」


「ばあちゃん ばあちゃん ばあちゃん!あのね 私 病気で・・・」


あああああああああと声も枯れるほど泣きながら二人は抱き合っていた。




『トキさん 約束は果たされたようですね。再会されたばかりですみませんが お話があります。』


「はい ミュー様 もう思い残すことはありません。どんな事でもします。」


「ばあちゃんにひどいことしないで・・・」


『だいじょうぶですよ麻美さん。ではトキさん あなたは天界に居すぎたため転生はできなくなりました。種族的には天使に近いものなのですが 現世にいくと肉体がありません。まぁ高位な守護霊みたいな感じです。麻美さんのこれからが心配でしょう。彼女はこれからの人生をやり直すのですが』


「えっ それって ばあちゃんが守護霊になるってこと?」


「ミュー様!!私アサちゃんを見守れるってことですか??!」


『ええ ただ麻美さん以外とは話せませんし見えません それはとても寂しいかもしれませんよ?


それでもいいのですか?』


「ええっええっ。こんなにうれしいことはないです。アサちゃんのこれからをずっと見続けれるなら


 体なんていらないです。」


『では私からのプレゼントの説明をしますね。まず麻美さんには 今の体をそのままのベースで15歳くらいに若返らせてそのままの記憶のまま作り変えてあげます。もちろんあなたの死因の病気はありません。実はあなたの転生予定の肉体なのですが、


 母体が出産途中で一家惨殺で一族が滅びます。私が直接ここにきたのはこのイレギュラーの為 麻美さんの体がないっていう事なんですよね。』


「私 転生する前に死んでた・・・。」


「アサちゃん・・」


『これはあまりにも酷いと私も思いまして特例措置で先ほどの条件での世界に転移してもらうことになります あちらの世界の人はスキル 魔法 属性など生まれた時に決まるものなので麻美さんにはありません。なので 今決めてください。世界を破滅に向かわせるようなの以外は付与しましょう。』






「アサちゃん ここは無限インベントリー 鑑定 テイム 異世界買い物 魔法は空間 属性は聖だよ!」






「え ばあちゃん なんでそんなに詳しいの?それ鉄板設定じゃん え?え?」


「ばあちゃんねぇ 死ぬ前まで婦人会でネットゲームのクランマスターしてたんだよぉ。異世界召喚とか知ってるよぉ。アニメみてたしねぇ。」


「ちょっと おばあちゃんがオタクだった。知らなかったよ。言ってよ!」


「初めはミカさんにボケ防止で誘われたんだけどね。ミカさんより強くなっちゃって。何回か戦争クランと抗争してたよ。課金で強かったし。」


「課金って ばあちゃん・・・ 私もそういうの好きだったのに・・」


『さて トキさんの方に知識があるようなので麻美さんはそれで決まりです。


 次はトキさんあなたには 天界に少しいたので普通の霊の数十倍の力があります。また天界食堂で料理をずっとしていたので料理スキルがレベルMAXになっていますね。そこであなたの向こうのスキルは 憑依 麻美さんの体に乗り移ることができます。その間の麻美さんは 心の中に2人いる状態です 憑依スキルでおばあちゃんの味を作ってあげてください。その間は麻美さんの中で味覚なども共有できるので少しは楽しめるかもしれません。』


「うれしい ばあちゃんの料理また食べれるなんて・・・」


「ミュー様!ありがとうございますぅ!第2の人生これから頑張らせていただきます。」




「ミュー様 これからの事ですが何かする事とかありますか?」


 『あるといえばあるのですが 魔王が5年後誕生します。これは各国の聖女に神託を下しており、近いうちに勇者が誕生するのでそれを覚えておいてくださいね。あとは家族仲良く私の世界を楽しんでくださいね。最後にアサミさんが転移する場所には近くに町があります。インベントリーにお金を少しだけ入れておいたのでそれで半年は生活できるしょう。その間にお仕事を見つけるのですよ。』




「はい。またばあちゃんと一緒にいられるだけで十分です。これから幸せに生きていきたいです!」


「魔王か これは忙しくなるねぇ。ミュー様 私らに出来る事があれば頑張らせていただきますねぇ。」








『では 新たな人生が素晴らしきものになることを』






そうして アサミとばあちゃんは現世に転移していくのだった。

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