第2話魚

給食。


それは学生にとってとても楽しみな時間だろう。


そんな給食の時間に魚がでてきた。


魚と言っても焼いてあったり、刺身ででてきたわけではない。


生きた魚が皿の上に3匹置かれた。


皿の上でピチピチ跳ね回っている。


「え、どういうこと...」


周りの子たちはみんな美味しそうに生きた魚を食べている。


魚を丸呑みにする子。


フォークで綺麗にバラして食べる子。


箸で串刺しにして食べる子と様々だ。


私はどうしようか悩んだ。


生きた魚は食べられない。


先生に言う。


「先生、生きた魚は食べれません」


先生は言った。


「魚は生きたまま食べること。魚だけしか食べてはいけないと国で決まったんだ。だから好き嫌いせずに食べなさい」


そう、いつからかおかしくなってしまったんだ、この国は。


私は現実から逃げていた。


そろそろ受け入れるしかないのかもしれない。


私は生きた魚を見つめる。


まだ元気に跳ねている。


私は決心して、頭から魚を頬張った。


生臭い、血の味が口に広がる。


「思ったよりイケるかもしれない」


私は2匹目にかぶり付いた。


口から魚の血をダラダラ垂らしながら...。














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