パンク・ブレイク・ブラッド
門前払 勝無
マーチンさん
肉塊がダラダラ汗をかきながらひしめき合う空間ー。
エレキが解放され無表情なクズ共が狂い咲くー。
薄暗い此処は幻想なのか現実なのかライダースの軋む音と喉を潤すビールが鼓動を保たせる。
前でラリったアホが揉め始めた。
俺は隣の彼女に被害が無いように揉め事の仲裁に入った。ただ、このアホはラリってるから話にならない、ひたすら顔を近づけあって罵り合っている。揺れる身体が汗だくで気持ち悪い。ムカついた俺は金髪の鼻ピの頬にエルボーを喰らわせた。そのまま床に押し倒してDr.Martinで顔面を蹴り上げた。何処からの出血か解らないが血が吹き出した。もう独りは呆然としているから放っておくー。
中腰で自分の出血量にびっくりしている鼻ピの顔に更にひざ蹴りした。
動かなくなったのを確認して「もう大丈夫だよ!」と彼女を見るとかなりの距離を取っていた。そして周りがドン引きである。
「え?なんで?」
と思いながら警備員に外へ連れ出された。
ライヴが終わるまで外でタバコを吸いながら待った。
「兄さん!あれはちょっとやり過ぎだぜ」
上から聞こえる。
星空にリーゼントでサングラスをかけた男が浮いている。
「でもよ!俺はそういうお前が好きだぜ!」
俺は照れながらタバコを投げ捨てる。
彼女は不機嫌に出て来て俺の前を何も言わずに通り過ぎていった。彼女の後ろ姿を見て「終わったな」と思って持っていたリボルバーで自分の頭を撃ち抜いた。
夜空に弾ける俺の脳味噌はアスファルトに広がりカラスのエサになる。
「俺も嫌いじゃ無いぜ!エルヴィス!」
おわり
パンク・ブレイク・ブラッド 門前払 勝無 @kaburemono
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