もの好きなお兄さんがホイホイされた②
※一部、NTR展開な箇所があります。
苦手な方はお控え下さい。
帰ってこなくなって数週間後の事です。
E子がひょっこり帰ってきました。後ろにアラサー青年(仮名をF介さんとします)を連れています。G叔父さんは全くの初対面でした。
F介さんの見た目は詳しくわかりません。実は私、この方とは直接お会いしたことがない(一応後々に会っていますが、印象薄くて記憶にない)のですね。
ただ叔母の言葉を借りるなら「ぼーっとした兄ちゃん」だそうです。
どちらにしても、G叔父さんのように「一見すると人畜無害そうな人」なんだろうな、とは思います。中身は…話を聞く感じでは、そうでもなさそうですがね。
少しイメージしてみて下さいね。
この当時のE子は40歳前後。そしてG叔父さんは50歳前です。対してF介さんは20代後半でした。
……騙されたのかな?
と失礼な言葉が頭の中をよぎりますね。
E子が持っていたのは、離婚届。ご丁寧に二枚目を持ってきたのでした。
F介さんと結婚したいからG叔父さんと別れたいと言ってきたとのこと。
この青年はE子のパート先の同僚で、休憩室で話してる内に仲良くなって、好きになったそうな。友達の家って言っていたのも、この人のことだったらしいです。
E子と出掛けたり、アプローチをされたF介さんもE子の事を好きになったそうです。それで二人は不倫に走ってしまったようでした。
このE子、自分がどうにか手篭めに出来そうな男に対する嗅覚が鋭いんだな、と関心してしまいます。
G叔父さんは特に言及してませんでしたが、うちに挨拶しに来た時や祖母宅に来た時の話から考えると、二人はいちゃいちゃしてたんじゃないかな、と邪推しています。なんというか、F介さんにべったりしてるE子が目に浮かんでしまいます(※あくまでも個人的な想像ですよ)。
聞く限りでは、青年はただE子と一緒に付いてきただけみたいでして、特別おもしろ…げふん、特に喋ることはなかったみたい。
ただ単に、E子がG叔父さんに思いの丈をぶち撒けていっただけのようです。G叔父さんからすれば、奥さんの言葉の方が響くと思います。
…F介さん、G叔父さんのことをなんて聞かされてたのか知らないけども、少しは「俺も悪いことしたから謝らないと」とか逆に「アイツからE子を守ってやらなきゃ」とか……なんていうんですか男気なかったのね。草食系なんでしょうか。
それとも青年、かわいい系男子だったのかな。
かわいい系男子(仮)と、メンヘラぽっちゃりおばさんか…萎えるわぁ。私の中のショタ紳士の心が、男子にげてえぇ!って言ってるわ…。
老婆心ですが、E子をわざわざ奪い取る程の価値があるのか考えて欲しかったよ。
閑話休題、失礼しました。
E子の言いたい事は、
・子供はいらないからあげる。
・離婚届を送ったのに、出す気配が無いから突撃しに来た。
・ついでに、協議離婚にしたかったから相談しに来た。
といった内容でした。
協議離婚云々は多分養育費とか、慰謝料の発生を避けるためなのかな、と邪推しています。
お金はなかった筈ですからね。
で、G叔父さんの気持ちですよね。
ここまでの流れを聞いて、G叔父さんは別れたくないってE子に言ったのかなと思うじゃないですか。子供の事もあるし。
ですが、意外とすんなり離婚することを決めたそうです。
この話は、後日祖母宅にやって来たG叔父さんが祖母に話したものを、叔母と母伝いに聞いたものでして。
親の前だからなのか、やたらあっさりと離婚を決めていて…ついにお花畑が冷めたんですかね。
E子に別の男が現れたのを目にして、G叔父さんはびっくりし過ぎで呆気に取られてたんじゃないんですかね。
まあ案外。先に離婚届を受け取っていたので、覚悟していたのかもしれません。
とっくにE子の気持ちが自分達から離れていることに気付いていたから、心の整理がついていて淡々としていた…とも考えられますね。
……なのですが、G叔父さんはこっぴどく振られてしまっても、E子の事を嫌いになっていませんでした。この辺は、また追々分かってきます。
お金の絡むことは叔父さんから聞いてないと祖母が言ってたのですが、……十中八九慰謝料とかの請求はしてないんだと思います。
さっさと別れてしまいたかったから、敢えて請求しない人もいるのでしょうが、叔父さんはそうじゃなくて、E子に丸め込まれただけなんでしょう。
その辺は、夫婦の間の取り決めですし。
外野があれこれ言えないですね(そもそも、G叔父さんは私の話を聞きやしないでしょうし)。
そんなわけで。
E子的には清々しく(本人はそう思っている)離婚をしました。
その後、E子は不倫相手のアラサー青年、F介さんと同棲を開始しまして、半年待ってから再婚したようだと話が入って来ました。
…何で話が入ってくるのか言いますと、それは別れてもE子は大叔父さん宅に遊びに来ていたからです…。
E子よ、もうG叔父さんの身内じゃないんよ。
大叔父さんからの話によりますと
F介さんはご実家の両親からはE子との結婚を反対され(そりゃ…)、E子と結婚するなら絶縁を言い渡されたらしく、
その結果、結婚するためにご両親と縁を切ってしまったようです。
ご両親の判断は、賢明だと思います…。
それと、同棲を始めてからはいつかの叔父さんの時のように仕事を辞めさせられたそうです。
まあ、きっと「私から離れないで!」とでも言って暴れたんでしょうな…。目に浮かぶ。
それからE子もあっさり仕事を辞めて、二人で生活保護を受けながら市営団地で暮らすようになったようです。
…もしや、男と付き合う度にあんなことしてたんかなと思わざるをえない。
あと、F介さんは板前できるくらいお魚捌くの上手で、それを仕事にしていたようなので……仕事を辞めさせてなんて惜しいことを…!
と、ひっそり思ったりしてます。
青年に同情はしてませんが。
一方のG叔父さんは、離婚してから仕事を探して働きはじめました。
それと、E子に追いていかれた形のE子の養父とも同居を継続する事になりました。今更ほおっておけなかったようです。
基本的にお人好しだからなあ…いやほんと。
この養父さんはE子が居なくなってからG叔父さんに話してくれたのですが…
彼らがこっちの地方に来る前の事、
E子は若い頃、結婚をしたことがあったそうで、子供を一人産んでいたそうです。
まあその…G叔父さんと結婚する前の時点でバツイチだったのですね。今の時代珍しくはないと思います。G叔父さんは知ってたのでしょうか、本人はそこを語りませんが、結婚するときに戸籍を見て解りそうなものですけど。
あのG叔父さんの頑固な感じを見るに「今度こそ幸せにしてやる」と思ってたように……うーん、でも叔父さんは、知らなかったんじゃないかな、少し阿呆な所があるし。
ですがE子は相手家族に「子供を任せられない!」と言われて別れさせられたそうです。
赤ちゃんの泣き声で、気が狂いそうって養護施設に預けてしまったくらいだし、その精神疾患関係で相手家族と色々あったんじゃないかね、とはその話を聞いた大叔父さんと叔母の言葉です。
その時の子供さんは、その相手家族の元ですくすくと育てられているらしいです。
……つまるところ、G叔父さんが思ってた「子供を産んでくれた責任」等々は…変な話そんなの取る必要なかった気がしますよね。
普通のスカッと話ですと、これからシンパパになって幸せに暮らします!で終わる所なんですがね。
……ええ、終わりません!
離婚しても何やかんやE子(とF介さん)絡みで色々あったのです。阿呆な夫妻、G叔父さんと従妹にやらかしてくれます。
ですので。
次回も続きますので、宜しくお願いいたします。
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