コミカライズするなら感想 その2

第四会場 3 婿養子先はド田舎でした ~都会っ子伯爵子息の、婚約者が居るから頑張れる畜農奮闘~

<作者様からのコメント> テンションの落差を意識して書いてみたのですが、他人・漫画家さんから見てどう見えているのかが気になっています。


コンセプトとしてはスローライフ系、農地ものと婚約ものを上手く融合した感じでしょうか。なろうのトレンドも上手く取り入れられていますし、女性読者にも男性読者にも受け入れられる内容ではないかと感じました。

コンセプトは「何処かで見たけど何かが新しい」が、最もヒットすると言われています。その辺りをよく知っている作者様の手によるものでしょう。主人公が追放ものと同じ「無能」だけれど・・・な、感じが出ているのも良かったです。

この後ざまあ展開がある予感もして、ワクワクします。

とにかく間口が広い作品でした。

しかし漫画原作として取り扱うとしたら、主人公の行動原理(テーマ)が、「A, 美少女婚約者に認められたい」なのか「B, ここしか居場所がない」なのか、どちらをメインにするかで違ってくるような気がしています。

A, ならラブコメをメインにした展開で、男性ターゲット。B, なら追放ものから異世界恋愛のテンプレを利用した女性ターゲットとなるのではないでしょうか。それによって作画の方向性もガラリと変わってきます。今後の展開が気になる状態でした。



第三会場 17 皇后筆頭候補(代理) は、“粛正皇帝”の最愛を求めない。


コンセプトとしては「仮面婚約」とか「契約婚約」とかと呼ばれているジャンルでしょうか。異世界恋愛で非常に需要が高く、なろうでも書籍化でも人気が出る仕掛けではないかと感じました。舞踏会での二人のやりとりも面白く、キャラも立っていて、続きが気になる展開です。

主人公の行動原理(テーマ)の深さを見せるのは、この後の展開なのだと思うのですが、個人的にはそこで他作品との差別化がどうなっているかが気がかりです。

漫画として作画する場合、この『青の魔女』をどう扱うかがキーとなります。

もし木野がこの作品のコミカライズ企画に参加するなら、そこの掘り下げを作者様にお伺いするでしょう。

漫画などのエンタメの場合「何処かで見たような作品」は、良いスタートです。問題は、そこから「でも、なにかが違って、続きが気になる!」と読者に思わせることです。この作品の『違い』は、主人公のキャラそのものに秘められているような気がしました。どんなキャラデザで、どんな動きをさせるのか。漫画企画者として、とても気になる作品です。



第三会場 24 影の令嬢は、しらない間に愛をしる

<作者様からのコメント> 2人ともスペックが高い。そして明らかに両想いなのに、恋愛ベタですれ違いまくる。「なんでそうなるの!?」というコメディ感と、ニヤニヤしながら見れる微笑ましさを両立させたいです。


コンセプトはハイファンタジーをベースとした『一対一ラブコメ』でしょうか。こちらもニーズが高く、なろうでも書籍化でもヒット作が多いジャンルです。このコンセプトではキャラがどれだけ面白いかに、作品の質がかかってくるのですが、主人公である『陰の令嬢』には癖があり、読者を掴む力が感じられました。

そうなるとコミカライズのポイントになるのは、相手役のロジャーでしょう。

通常この手のラブコメでは、どちらかがボケなら、どちらかが突っ込み。両方ボケなら、誰かが二人を突っ込む役回りに立ちます。

今作では、これからロジャーの立ち位置(ボケか突っ込み)がハッキリするのでしょうが、漫画ではビジュアルと決められた文字数でのセリフのみで表現しなくてはいけないため、もっと早く、もっと強烈にロジャーの役回りを読者にアピールしなくてはいけません。

そこが唯一の悩みどころではないかと感じました。



第四会場 6 Heaven's GRAVITY

<作者様からのコメント> さらに逆向きの世界が浮かんでいるという絵は漫画映えはしそうだなと思っています。


懐かしいコンセプトでした。人知の及ばない特異点的な別世界。忍び寄る終末的な異常。そして空から落ちてくる系ヒロイン。どれも電撃文庫やスニーカー文庫全盛期の作品を彷彿とさせ、オールドファンとしてはワクワクが止まりませんでした。

コミカライズするなら、欲を言えば、そこからもうひとつ飛び出した現代的なコンセプトがあったらなあと。良い出だしなので、もったいなさを感じました。

坂向きの世界にメタバース的なロジックがからむとか、終末的な思想にコロナ禍や某国の侵略戦争とかが暗示的にからむとか。そういったものがあると、より読者の共感性が強くなり、ビジュアルも映えてきます。

「絵として美しい」も重要ですが、漫画では、そこにある意味が共感できるかどうかも重要です。

小説なら、地の文やモノローグでじっくり見せてゆくことも可能ですが、漫画の場合は冒頭からインパクトがないと、読者離れを起こしてしまうものですから。



第四会場 9 ノベルデュエル・ブリーダーズ2

<作者様からのコメント> カードゲームがコミカライズや映像化で客層を増やしたように、同じ手法で小説や文章を映像化、視覚化することで客層を増やせるのではないかと着想を得て本作を執筆しました。そのあたりの絵で見せるためにはどうすれば映えるかなどは意識して書いております。


コンセプトはメタ・スタイリッシュ・ホラーでしょうか? とっても感想に困っております。ボケて良いのか、突っ込んだ方が良いのか。

とにかく、頭がおかしくなるんじゃないかと言うほど笑わせていただきました。

コミカライズ? 受け取ってくれるレーベルさん探しが一番大変そうです。世にだせられるのなら、出してみたいですが。

あと、誤字覚悟で個人的な感想をノベルのであれば・・・。

僕もカンヅメの中に押し込まれると大人しくなります。

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