第3話 昨日と同じように気絶したのだが、何か違いがあるのだろうか?

チュンチュンという鳥の鳴き声とともに、俺は目を覚ます。


……まったく寝た記憶がないのに、もう朝とはな……

とりあえずステータス・オープン。


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名前:シューゾウ・モーリ(5歳)

LV:1


EXクラス :九死一生

スキル   :火事場の馬鹿力(F)(20 → 30/100)

スキル   :消費成長   (F)(30 → 50/100)


HP  :5

MP  :6 → 7


攻撃  :5

防御  :5

敏捷  :5


魔法攻撃:5

魔法防御:5


魔法:水魔法 (F)(熟練度 1 → 2/100)


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狙い通りにスキル熟練度、MPは上昇していたが……昨日は20上昇した【火事場の馬鹿力】の熟練度が10しか上昇していなかった。


うーむ……昨日と同じように気絶したのだが、何か違いがあるのだろうか?


「ふわあ……おにい、おはよー」


起きたばかりなのだろう。

隣の2段ベッドの上段から、目をこすりながらカルフェが挨拶する。


下段で寝ていたはずの長兄アイン、次兄イザークの姿はない。

すでに2人とも起き出して部屋を出たのだろう。


長兄、次兄とは年齢が離れていることもあり、別行動を取ることが多かった。

反面、カルフェとは年齢が近いこともあり、一緒にいることが多い。


……そういえば昨日は気絶していたところをカルフェに起こされたんだったな……


木の棒で突ついて起こすなど……もう少し優しく起こして欲しいところである。

たいして痛くなかったから良いものの、あれが……


!?


棒で突つく……見ようによってはだが、気絶しているところを攻撃されたと言えないだろうか?!


もしも気絶している最中、他者から攻撃を受けたなら死は免れない。

ただ気絶するより、さらに危機的状況であることは一目瞭然である。


「カルフェ」


「お?」


「今日もお兄ちゃんと隠れんぼするか?」


「おー!」


「じゃあ、お兄ちゃんは庭に隠れるから、カルフェは1時間くらいしてから探し初めてくれないか?」


「今からじゃだめ?」


「駄目。お兄ちゃん隠れるのに時間がかかるから……お願いします」


「おー!」


よし。後は気絶したところをカルフェに棒で突ついて起こしてもらえばOKというわけだ。


「2人とも。遊ぶのは良いけど、先に朝ごはん食べてからにしてね」


「はい」「おー」


その後、朝ごはんを終えた俺はさっそっく庭に出ると茂みへ潜り込み──


「水よ。我にその恵みをお与えください。ウォーター」


気絶した。





つんつん、つんつん。


「う……うーん……はっ!」


自身を突つく棒きれに俺は目を覚ました。


目の前には座り込み、倒れる俺を突つくカルフェの姿。

なんだか昨日より強い力で突いてくるため少し痛い。


「1時間も待ったのに……おにい昨日と同じ隠れ場所。つまんない」


どうやら少しご機嫌ななめの模様。


「申し訳ない……次はもっと違う場所に隠れることにする」


「おー。それじゃカルフェが隠れる番」


木の棒を投げ捨てパタパタ走っていくカルフェを見ながらステータスを確認する。



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EXクラス :九死一生

スキル   :火事場の馬鹿力(F)(30 → 50/100)

スキル   :消費成長   (F)(50 → 80/100)


HP  :5

MP  :1/7 → 1/8


魔法:水魔法 (F)(2 → 3/100)


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計算通りに熟練度が上昇していた。


よし。この調子でMPと熟練度を上げていこう! と言いたいところだが……


さすがに無理がある。

現在のステータス。MPだけを見るならばこうである。


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MP  :1/8


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スラッシュ記号の右側が最大MP。そして左側が現在のMPとなる。

気絶から回復したばかりの俺のMPはわずか1。


……どうりで頭がふらふらするわけだ。


この状態から魔法を使うなら、気絶どころか脳に障害が発生しかねない危険な状態。

MPは時間経過で回復するのだから、それまでカルフェに付き合って遊ぶとしよう。

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