第29話 顔と声のギャップ

 「あと決定的なのは顔と声のギャップかな!」

 「お前もそれ言うかい!!!」


 今は笑い話にできてることでも当時はかなり寝込んだぞ!?

 中学卒業時の寄せ書きなんて「顔声ギャップ乙」がありとあらゆる奴らに書かれて軽く封印したい黒歴史だったかんな!!!


 「あー別に煽るために言ったわけじゃないよ?」

 「仕方ない、言ってみろ」

 

 一応聞いてやる。もしも俺が煽られてると感じたら、即今描いてる乃音の顔をブサイクに描いてやる。

副教科ガチ勢だから上手く描こうと思えば人を泣かすレベルの絵を描ける。逆も然り!! 下手に描こうと思えば人を泣かすレベルの絵を描けるのだ!!


 「まずね、女子が選ぶ顔がいい部門のツートップに話しかけるのが勇気いるんだよ。これがまず雄馬が私以外の女子と交流がない理由第一ね」

 「ほうほーう」

 「第二に、あなたはかなりの童顔です」

 「ほ、ほう?」

 「女子が選ぶ顔がいい部門2位に選ばれた主な理由は「かわいい」が多く占めているの。かわいいと思われている数なら1位の蒼より断然上」

 「ひゃっほー!」

 

 かわいいは言われてあんま嬉しくない男子はよくいると思う。けど、なんも言われないやつからしたらかわいいも最強の褒め言葉だ!!

 

 「ま、ここからが顔と声のギャップの話なんだけど……雄馬は童顔のくせにすごい低音イケボを持ち合わせてるの……声優でいうと諏○部順一さんみたいな……」

 「諏訪○順一さんはめっちゃ褒め言葉なんですが?」

 「自分だと客観的に見れないだろうから違う人に例えるね。めっちゃ綺麗な私が……」


 自分で言う? って思ったが自分で言えるほど乃音は美人だ。なんなら現在進行形で男子から殺気を向けられるほど乃音はクラスのマドンナなのだ。

 

 「めちゃくちゃぶりっ子みたいな「雄馬ぁ〜て・つ・だっ・てぇ?」みたいな話し方だったらどうとさ思う?」

 「逆に萌える」

 「んっ!?」


 綺麗で近寄り難いと思っていた人が実はめちゃくちゃ可愛かった。これで叫ばない男子は今すぐ地獄に堕〔見苦しいぞ貴様〕ぉぉお!!


「そ、そういうことを言ってるんじゃなくて!!! とりあえずなんか違和感あるの! 人間見た目が第一印象!! その次に性格や声なんかが組み込まれていくの!!

 人間は誰しも勝手にその人の第一印象を決めて、性格や声質とかで知っていくの! だから『実は俺さ〜最初絶対合わんと思ってたんだけどさ〜今はめっちゃ親友だと思ってるぜ〜』なんて言葉が出てくんのよ」

 

 確かになんかスポーツ漫画でも最強のコンビが『楽しかったぜ……最初はいけすかねー野郎だと思ったんだけどな……今では俺の横に並んでるのはお前しか思いつかねーよ』『ふっ……俺もだよ』みたいな掛け合いあるけど……乃音の言う通りだな。


 人は必ず第一印象を抱く。けどそれがどうしたっていうんだー? 今の世の中“ギャップ萌え”とか存在する。それがなぜ俺がモテない理由となるのだ!!


 「雄馬はギャップがかけ離れすぎなのよ。顔は童顔で声はすごい低音イケボ。そんなのラブコメでしか通用しないわよ。か弱いと思ってた彼が実はめっちゃかっこいい!! なんて属性」

 「そ、そうですね……」

 「だから女子が選ぶ顔がいい部門 in 見るだけ では2位だけど、in 付き合うではランク外です」

 「すんごいランキング作ってんねぇ!? 暇なんか!? あぁ!?」


 最後に滅多斬りにされたけど、これが客観的思っている俺らしい……見るだけか笑



 ん? 見るだけ?


 「なーなー乃音? in見るだけってあおりとかとの会話も含めて?」

 「んーそうだね。in外見ってのもあるから見るだけは雄馬の行動も含めてんね。雄馬見てて楽しいキャラだから」

 

 が、外見……どんだけ作ってんだよ……けど、いい情報をもらった。見るだけの俺はかなり評価もらってんだろ? だったら“配信”でもかなり使えるんじゃ?

 配信だって見るだけだよな? 

 童顔で低音イケボ。付き合うには女子にはかなりかけ離れたギャップなんだろう。認めてないけどな。

 けど配信ならキャラとして成り立つんじゃ?


 わんちゃん渋ってた顔出しアリかも?


 「んで、それがどうしたの?」

 「いやーなんでもない! 乃音! とびっきり綺麗に描いてやるからな!」

 「な、なによ急に!?//////」


 美術5の実力を持って完璧に綺麗な乃音を描くと決めた。




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 初めてラブコメ要素入れた気分。(個人の意見です)





 

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