世の中に対する怒りで書く

 物語を書きたい!という欲求にはこんな物語を書きたいという気持ち、書かねばという義務感、何かへの憧れなど動機がある。

 なんらかの心の動きが物語を書くという創作意欲を刺激する。


 これまでの作品を思い返すとさまざまな欲求から書いてきた。その中でもマイナス感情から生まれた作品について考えてみる。


 田んぼに捨てられたファーストフード店のゴミや空き缶を見て、怒りに駆られたことがある。田んぼはそもそも他人の土地であり、食べ物を育てる大切な場所だ。そこへゴミを捨てるという歪んだ精神が許せない、と思った。


 これをきっかけに書いたのは

『拾う神』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054898676396


 ポイ捨てをする輩に天罰が降れば良いという思いで書いたのを覚えている。ポイ捨てをする人間の心理を想像したり、どうすれば反省するか、を考えてのシナリオだった。


 書きながら、単に説教じみたお伽話になっていくことに気がついてあれこれ工夫してこの形になった。これが最良とは言えないかもしれないが初稿よりマシになった。


 途中経過を鑑みると、世の中の不条理への怒りをあからさまに出したところできっとこの程度の腹立たしさは誰もが感じており、ただの愚痴になっていないか、と冷静になった。


 これに腹を立てたから書きました!スッキリ!というのは物語を書ける人ならではのストレス解消かもしれない。

 作者の怒りが物語にあからさまにでていると、共感しやすいかもしれないがときにただの愚痴に感じることもあると思う。


 世の中への怒りを物語にすることは良いと思うが、他人が読んでどう思うか?冷静な目で見てみると物語のクオリティが一段上がるのではないだろうか。

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