小説イラストへの反応に考えたこと

 何作かの小説にはイラストを描いていただいています。イメージにマッチした作品の魅力を伝えるイラストで私にとって大切な宝物です。


 SNSでキャラクターデザイン・シナリオアイデア出しをしてくださったイラストレーターさんがファンアートを描いて応援してくれ、とても嬉しく執筆の励みになっていました。

 そんな中、SNSでのイラストへの反応で引っかかることがありました。


 イラストへのリプライで「キャラクターの他のイラストも見たい」と伝えていました。イラストを正式に依頼するには有償です。これはとてもデリケートなことです。

「こんなシーンのイラストを見たい」とリプライされていたこともありました。それは本来、小説作者へ要望するのが筋ではないでしょうか。

 イラストファンの言動だと理解できるのですが、作者との関係性を無視してそれを言うのはやはり無神経だと思います。


 熱量高い小説の感想をイラストのリプライに延々書かれていたり、オリジナルイラストに小説キャラの名前を引き合いに出したり、キャラクターへのコメントも悪ノリが過ぎて遠慮がなくなるのを感じました。

 こうした対岸のやりとりを見て作者である私は置き去りにされた気がしました。

 

 小説読者から素敵なイラストですね!と言われるのはイラストのファンである私も嬉しいです。イラストをきっかけに読んでくださった方も多く、ありがたいと思っています。


 熱心なファンなのはわかるのですが、イラストに執着されたこのケースは度を越していると思います。

 このことは創作姿勢について改めて考えるきっかけになりました。イラストがあれば読者の興味を引くことができます。しかし読者の反応がイラストに重きを置かれたとき、小説を踏み台にされた気分になりました。小説はイラストの付随品なのかと。


 私にイラスト人気に頼ろうとする甘えもあったように思います。イラストの魅力に依存しすぎて小説が軽んじられる結果となったのです。

 文章書きとしてのプライドがひどく傷つけられました。


 もっと文章や精神性に磨きをかけ、自分の作品に自信を持てるよう精進しなければ。手痛い教訓となりました。


※『三年目の出来事』に関連する話です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る