　同人誌を作者手ずから販売している夢のような場所があるという。それが同人誌即売会だ。かつては地方で個人イベンターが開催するものから東京で夏冬年２回開催のコミケまで、多種多様な即売会が全国各地で開催されていました。

　当時、イベント開催情報を知るにはオタ系情報誌のイベント欄を探すというアナログな方法しかありませんでした。

　そんなとき、地元でもイベントを開催しているのを知り、喜び勇んで自転車を漕いて会場に赴きました。

　初めての同人誌即売会で見た光景に、胸躍る高揚感を覚えました。長机の上にたくさんの同人誌が並び、売り子と参加者が熱く語っている。オタクであることを堂々と宣言して良い場所、オタク同士がしがらみなく交流できる場所、そんな特別な空気に圧倒されました。

　そして、いつか机の内側に立ちたい。そう思ったのです。

　初参加は中学生のときでした。それからずっとジャンルは変われども途切れることなくサークル参加を続けていました。

　昨今の新型コロナウイルスのためにイベント開催ができない日々が続いており、毎回参加していたコミケに行くことができず、抜け殻のような日々でした。

　今年は三年ぶりになるコミケに申し込みました。その時の状況によりますが、安全に参加できることを楽しみにしています。

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