01.キャラクター紹介

GM:「それじゃあ、各自キャラクター紹介の方をお願いします」


魔術師レックス:「俺の名前はレックス。人間の男で魔術師ソーサラーだ。前のパーティとの冒険で〈呪われしファイアーボール用の杖〉を手に入れたことでパーティを追放されてしまってね。これから食いっぱぐれないために早く次の仲間を見つけなければならないところだよ」


GM:「パーティを追放されるような呪いか。どんな呪いがかけられているんだい?」


魔術師レックス:「この杖以外の杖や魔法の発動体を装備できなくなり、【ファイアボール】以外の攻撃呪文が唱えられなくなる…って感じの呪いでね」


GM:「つまり《魔法制御》の戦闘特技なしじゃ、味方ごと巻き込んでの攻撃をすることしかできないわけだね」


魔術師レックス「ところが俺の戦闘特技枠はもう埋まっていてね……。当分、《魔法制御》は取れる見込みがない。こんな俺でも入れてもらえるパーティなんてあるのかなあ…」


GM:「これからの仲間に期待するしかないね。それじゃあ次の人」


神官剣士ジュリアス:「俺はジュリアス・ファイアハーケン。炎武帝グレンダール神の加護を受けた神官剣士のドワーフである! トレードマークである髭に火を付けて燃やしているぞ」


GM:(ドワーフは[剣の加護:炎身]があるから燃えることはないんだけど、体の一部だけ火を付けて燃やすことってできるのか……? まあ、いいや。できるで)*


武闘僧サツキ:「そして私が妹のサツキ・ファイアハーケン! オレンジ色のパーカーがトレードマークのグラップラーだよ。グレンダール様のクレリックで、兄者のように神聖魔法は授かってないけど軍師技能ウォーリーダーを持っているから仲間の戦闘指揮は お手の物。いい仲間に巡り合えるといいなあ~」


神官剣士ジュリアス:「俺たち兄妹きょうだいはグレンダール神殿で修業を重ね、いよいよ布教と巡礼のために冒険者になろうとしているところだ。後衛を任せられる魔法職を探してギルドに向かって突撃するぞ」


武闘僧サツキ:「いっきまーす!」


GM:「君たちに良き出会いがあらんことを……。それじゃあ次の人お願いします」


爆弾魔サウマ:「私はユナ・サウマ。 人は私を爆弾魔サウマと呼ぶ」


GM:「良き出会い、なかったね」


爆弾魔サウマ:「狂気の魔導機文明時代の研究者の遺跡があってね。私はそこで生まれた人造人間ルーンフォークなんだ。製造されたジェネレータのそばには魔動機文明語で『なぜ分からん! 蛮族や魔神、アンデッドどもをすべて滅ぼさない限り人族に安寧の日は訪れない! そのためならどんな手を使ってもいいではないか! ワシは作ってみせるぞ! 味方殺しと罵られようと先制殲滅爆撃で敵を滅ぼすグレネードルーンフォークを産むジャネレータを!』と書き留めてあったらしい。私の存在意義は蛮族どもを私の【グレネード】で滅ぼすことだった……のだが、元いたパーティを追放されてね。今は仲間を探してソロ活動中だよ」


GM:「一応聞くけど魔動機銃ガンを扱うためのシューター技能は?」


爆弾魔サウマ:「なぜ【グレネード】を撃つのに不要な技能を取る必要があるんだい? 残りの経験点はスカウト技能を伸ばすのにあてているよ」


GM:「シューターがないのが不穏だけど、スカウト技能は助かるよ。それじゃあ最後の人、どうぞ」


炎嵐使いカナ「フッフッフ。炎の妖精が私にもっと輝け囁いてる。私は爆裂的な火力を生む妖精魔法【ファイアストーム】に憧れた妖精使いだ。度重なる修行と妖精との意気投合の末に、遂に習得に至ったのだが、どこのパーティでもなかなか受け入れて貰えない。何故なんだ。私はなんとしても《クリティカルキャスト》した【ファイアストーム】で戦いたい。受け入れてもらえるパーティを探さなくてはな…!」


GM:「《クリティカルキャスト》は攻撃魔法のクリティカル率が上昇する戦闘特技だね。でも宣言枠を使用するから範囲魔法に合わせると味方を巻き込まないようにする《魔法制御》と合わせて使うことができない。うん、仲間が見つからない理由が見えてきたね」


さあ、味方ごと巻き込むフレンドリーファイア魔法使いたちと炎ダメージ無効のドワーフたちがいく冒険、いったいどうなるんだろう?


魔術師レックス:「ところでGM? これ炎無効のボス出てきたらどうしたらいいんだろうね?」


GM:「シナリオはこれから考えるからね。流石に炎無効の敵を当てたりはしないよ!」


この発言をした時にはまだGMは己の過ちに気づいていなかったのです。


本編へつづく。


*編注*

ジュリアスのPLから「燃えるドワーフの髭」についての解説が届いたので追記します。


ジュリアスPL「髭炎上の仕組みは髭にランタン用の油を染み込ませて油を燃やしてるんだ。なので実は髭そのものは燃えてない。ドワーフの体表上の異物は問題なく燃やせるはずだからね」


GM「なんだその、ソドワドワーフへの解像度は」


ジュリアスPL「ドワーフ推しPLのこだわりポイントだぜ」

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