夜更短篇異類譚

雷鳥

第1話 赤いチョーカー (2012:3:27)

チョーカーってあるじゃないですか。アクセサリー屋さんとかであるやつ。黒いリボンにチャームが付いてたりレース生地になってたりするやつ。レザーのとかもあって結構首輪に近いデザインもパンク系であって可愛いんですよね。


これは友達から聞いた話なんですけど、友人からバレンタインのお返しにチョーカーをもらって、すごく嬉しかったからその場で付けてもらったんですって。首がこそばゆいとか息がかかったーとか色々惚気てたんですけどまあその話は置いといて。真っ赤なリボンで飾りもなんもないやつ。後ろに銀の留め具があるくらいのシンプルなやつだった。


んで、折角だし一日中付けてそのまま遊んで、家に帰ってお風呂入ろうとしたんですって。嬉しそうに撫でながら鏡の前で首の後ろに手を伸ばして外そうとしたんですよ。

そしたらね、無いんです


金具も結び目も繋ぎ目も。


ハサミで切ろうとしたりカッター差し入れて絶とうとしても隙間ないし切れなくてそれどころか血が出たりして親呼んだんですって。そしたらその子の母親が素っ頓狂な顔して言うんですよ


「あんた何も首に付けてないじゃない」


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