万能血液S型?

マオジロウ

第1話 日常

「おはよーさん」

平凡な日常を過ごす次郎です。

俺は特に取り柄もないサラリーマン、何気なく日常を過ごし気づけば30歳。

妻と2歳になる娘と3人暮らし。

毎日会社と家の往復で疲れるが娘の笑顔のために頑張っている。


次郎「今日もめっちゃ疲れたーごはんなに?」

妻「今日はハンバーグやでー」

娘「あっアンパマン」

っと舌足らずな言葉で癒され日常を楽しんでた。


次郎「そーいえば明日会社で献血あるみたいやけど俺自分の血液型知らんわー」

妻「ちょうどええやん❗うちがA型で娘もA型やからAちゃう?」

っとそのときは何気ないやり取りで特に気にもせず自分の血液型分かるわーってぐらいにしか思ってなかった。


次の日、献血して特になにもなく終わって日常に戻ると思った。


ピンポーン


献血して数日たった日に普段来客なんか来ない家のインターホンがなる。

インターホンの画面をみるときっちり身だしなみを整えたスーツ姿の男性が二人。

次郎「はい?どなたですか?」

男性の一人が長々と話すが要約すると

男たちは国の研究機関の人。

以前献血した際の血液が世界に数名しかいない万能血液でどんな血液型でも適合する。

まだ未知の可能性を秘めているので色々実験で血液を分けて欲しい。

等々よく分からん事を言ってくる。


俺は冷やかしか何かよく分からんかったので帰ってもらうように言った。


男たちは会釈をして立ち去った。


次の日会社に行くと社長に呼び出され会議室に行く。

すると昨日家に来た男性二人が待っていた。

社長が言うにはその二人は本当に国の研究機関の人たちで話を聞いて欲しいとのこと。


その時、何で社長がそんなんわかんねんって思いつつも自分が特別な人間かもしれんっていう妙な高揚感を感じた。


男たちは定期的に血液を抜いて国のために貢献して欲しいとのこと。


元々注射が嫌いな俺は丁重に断ろうと思ったが、人のためになるかもしれんし妻と相談するから後日連絡しますと伝えて電話番号を聞いてその場は解散となった。


もし男達の言ってることが本当なら平凡な日常ではなくなるかもしれんなーって思いつつその日は妻に伝えず寝た。


次の日、妻に昨日の話を伝えると無理のない範囲ならいいんじゃないかなっとのことでもう一度詳しい話を聞くために家に来てもらう事にした。


教えてもらった連絡先に連絡し、日時を伝えて来てもらうことにした。


話し合い当日、向こうからの話はこうだった。

研究中は施設内に住み、施設の外に出ることは基本的に禁止。ただし外部との連絡、面会は出来る。

働かないで良い代わりに決められた食事、運動をこなし定期的に血を抜く。

妻、子供の生活費等は国が負担する。

っとのことで完全に家族とは離れある意味囚人状態だと思った。

そして、血液型S型には万能薬になる可能性を秘めているとのことでそれだけ貴重で全然世間には公表されていないとのこと。


確かにネットで調べたけど出てこうへんと思った。


だが、そんな内容を快諾することは出来ず、その話は断った。

その代わりに定期的に血を抜く事は協力するとのことでしぶしぶながら向こうは納得した。





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