夜の道先案内人

藤間伊織

ラジオ特番

少し前の話。


プルルル


滅多にならない俺の携帯から着信音が鳴り出した。


ピッ


「もしもし?」


「あー、よう?俺、だけど」

そういって電話をかけてきたのは友達の大翔ひろとだった。


「どうしたの?こんな遅くに珍しい」


「お前、ラジオつけてみて!」

当時、俺たちは好きなラジオ番組があっていつもその時間はラジオがついていた。その日は特番に変わってたけど、習慣からいつもと同じようにつけっぱなしだった。


「ラジオならつけてるけど……今日は『夏の心霊特集』やってるぞ?」


「それそれ!俺、その番組の視聴者体験募集に送ったら読まれることになったのよ!

せっかくだから陽にも聞いてほしくてさ~。なんと、今なら体験者の生解説付き!」


「解説は別にいらないけど……まあ、そんなにいうなら内容くらいは聞いてやるよ」


「おお、楽しみにしてろよ!」

そして俺は大翔との電話を切った。

ちょうどCMも明けて、大翔の投稿が読まれるようだった。

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