第4話 コロポックル先輩救出チーム最大の危機!


 人喰い書庫地下13階にある魔王ヘルバーンの領地もついに3フロア目に到達した!恐らくあとこのフロアを含めて2フロア到達すれば魔王ヘルバーンのところにたどり着けるはずだ。俺たちはコロポックル先輩吸収チームは最深部に近づいていることに緊張感が漂っていた。

 俺はフロアとフロアの間にある休憩スペースで英気を養い次のフロアに突撃した!

「行くぞ、次のフロアだ!」

 俺たちが目にしたフロアはなんと巨大なカジノだった!

「まさか、この人食い書庫の内部にカジノがあるとは!」

 驚愕に腰が抜ける俺たちコロポックル先輩救出チーム!

 そこに追い打ちをかけるように館内アナウンスが流れてきた!

『コロポックル先輩救出チームの皆さん、ようこそ我がカジノへ!』

「またこのパターンか!」

 するとカジノの照明が消え、ポットライトが照らされる!

「……私はこのカジノの支配人にしてヘルバーン四天王の一人、スフィンクスだ!」

 スフィンクスは紳士的に俺たちにお辞儀をした。

「君たちは今から次のフロアの鍵を手に入れるためにすごろくをしてもらう」

「すごろくだと!」

「ゴールに無事にたどり着いたら次のフロアの鍵を渡そう……しかし、たどり着けるかはサイコロ次第だ! コロポックル先輩救出チームの諸君グッドラック!」

 スフィンクスはそう言うと俺達のいる床がパカッと開きすごろく空間に落下していった! これは魔法の一種か!?

「ぐぬぬ……俺たちはすごろくをしなければいけないのか」

 尻餅をつきながら俺たちはすごろく空間に到着したことを認識した!

『我がすごろく空間にようこそ……コロポックル先輩救出チームの諸君、サイコロをふりたまえ』

 スフィンクスの声がすごろく空間に響き渡った。クーデリカは既にサイコロをポルターガイストで浮かべている。

「クーデリカ、まだサイコロを振る順番を決めてませんよ!」

 田沼くんが慌ててクーデリカを制止しようとしたがクーデリカはサイコロを振った。3の目が出た。俺たちはマスを3つ進んだ。

『サイコロで振ったコマに到着したな? 特殊効果発動だ』

「なんだと!」

 特殊効果とは一体!? 俺たちはいったい何をされる!?

『このコマに止まったものは一発芸を披露する……面白かったら3コマ進む』

「一発芸!?」

 一発芸をして面白かったらさらに3マス進むというのか!? 下手な一発芸は見せられないぞ!?

「誰が一発芸をやるんだ?」

「私がやります」

 狩野さんが挙手して一発芸に名乗り出た。

「ドラえもんの絵描き歌をやります!」

 そう言って、狩野さんはドラえもんの絵描き歌を歌いながらドラえもんの絵を書き上げたのだ。

『むむむ……絵描き歌とは考えたな。このスフィンクスの前でやっのけたことを評価しよう3マス進むがいい』

 どうやらスフィンクスにうけたらしい。俺たちは3マス進んだ。

『サイコロを振る前にチャンスタイムだ!』

「チャンスタイム!?」

『今からコロポックル先輩救出チームにはクイズに答えてもらう……正解したら次のサイコロの目の2倍のマスを進んでもらう』

 なるほど上手くやれば一気にあがりに近づくという寸法か!

『理解してもらえて嬉しいよ……では問題!アメリカンフットボールリーグNFLのチームをどれでも5チーム答えろ!』

「いきなり5つ答えるとなると難問だな」

「野田さん、ここは手分けして答えましょう!」

 田沼くんはチームワークでクイズに立ち向かおうと俺たちを鼓舞した。

「ではクイズスタート! 制限時間は60秒だ」

 やはり時間制限つきか……ここは思いつくままに答えなければならない。

「ニューヨーク・ジェッツ!」

「ニューイングランド・ペイトリオッツ!」

「マイアミ・ドルフィンズ!」

「グリーンベイ・バッカーズ!」

「ダラス・カウボーイズ!」

『おめでとう! 全問正解だ! さぁ、サイコロを振りたまえ!』

 なんとかクイズに全問正解することができた。あとはサイコロを振るだけだ。

「ここは僕が振りましょう……ダイスの神様よ我々をあがりに導きたまえ!」

 そう言って田沼くんはサイコロを振った。運命のサイコロの目は4、それにクイズの2倍ボーナスで8マス進む!本音を言えば6の目が出てほしかったがぐっとこらえた!俺たちは8マス進んだ!


◆◆◆◆◆


 俺たちはサイコロの目とお題に翻弄されながらあがりのマスの近くにまでやって来た。長く辛い道のりだった。

『コロポックル先輩救出チームよ、いくつものすごろくの試練を乗り越えて、よくここまで来たな! これが最後の試練だ!』

 スフィンクスの声も熱をこもって聞こえてきた。

「早く最後の試練の内容を教えろ!」

『コロポックル先輩救出チームは今からサイコロを10個振ってもらう。目の数が合計で20を超えたらあがりだ!』

 サイコロを10個振って合計で目の数を20以上ならあがりだと、上等だ。やってやろうじゃないか!

俺と狩野さんと田沼くんで2つずつ、クーデリアは残りの4つをポルターガイストでサイコロを持った!

「運命のダイスロール!」

 出目の数は合計で41!俺たちはあがりに到達した!

 あがりに到達すると再び床が開き、最初にいたカジノに戻ってきた。

「コロポックル先輩救出チームよ……我がすごろく空間をよくぞクリアした。約束通り次のフロアに通じる扉の鍵を渡そう」

 そう言ってスフィンクスは次のフロアに通じるフロアの鍵をうやうやしく渡した。

 俺たちは勇ましくカジノの階段を昇り次のフロアに通じる扉を開けた。

 魔王ヘルバーンに一歩、また一歩近づき俺の心は熱き血潮に満ちあふれていた!

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